ギルド視点:商業都市ギルド長ロッシュ・カーネルと謎の美女 ――「鉄鉱山だけが、良くなりすぎている」
世界が鉱山の外に広がり始めます。
1.ロッシュ・カーネル
商業都市リバトーン。
鉱山近く、王国の最大の物資集積地であり、
商人たちがこの街なくして王国は成り立たないと言い切るほどの要衝。
その中心――商業ギルド本部の執務室で、
ギルド長ロッシュ・カーネルは分厚い帳簿を静かに閉じた。
顔には怒りも焦りもない。
ただ淡々と、“異常を異常と認識する”冷徹な目があった。
「……おかしいな。鉄鉱山だけが数字を上げている」
対面に立つ青年職員は肩を跳ねさせた。
「き、気づかれましたか……」
「気づくなと言う方が無理だ。
石炭鉱山と銅鉱山は予定通り落ちている。
戦争で送り込まれる罪人が減り、人手不足も深刻だ」
ロッシュは別の帳簿を開き、指でなぞった。
「だが鉄鉱山は逆だ。
人手が減っているのに、産出量は増えている。
しかも、事故報告が激減している」
「た、たまたまでは……?」
その瞬間、ロッシュの目が鋭く細められた。
「“たまたま”で鉱山が良くなるなら、
この国にギルドは存在していない。」
「す、すみません……!」
「鉱山は常に悪化する方向へ傾く。
外から知恵か技術が入らない限り、改善など起こり得ないんだ」
青年はごくりと喉を鳴らした。
「では……鉄鉱山で何かが?」
「“誰か”だろうな。
あるいは……何かの力が流れ込んだ」
ロッシュは椅子を押し、立ち上がる。
「石炭鉱山へ物資を運ぶ便が明後日出るな?」
「は、はい。予定通りです」
「鉄鉱山にも潜れ。
あくまでもついでだ。
だが内部の空気を感じてこい。
何が起きているのかをな」
「し、しかし……鉱山内部の調査は危険では……」
「危険より利益だ。」
ロッシュの声は低く、しかし迷いがなかった。
「鉄鉱山が何を隠しているかは、この商業都市の未来に直結する。
……行け。お前の仕事だ」
青年は背筋を伸ばし、
「は、はい!」と敬礼して部屋を出ようとした。
しかしロッシュがもう一つ書類を手に取った。
「まだある。」
「は、はい?」
「王都の商会からだ。
鉱山で下働きしたいと言っている女性がひとりいるそうだ」
「……え? 鉱山で、ですか? あんな地獄に?」
「奇妙だろう?」
「き、奇妙どころか……どうしてそんな……」
「理由は書かれていない。
しかし商会側も扱いに困っていてな。
“ギルドに預けて輸送してほしい”と依頼が来た。」
ロッシュは手にした報告書を軽く読み上げる。
「身なりはボロ。
しかし所作は妙に整っている。
言葉遣いも妙に丁寧。
……総じて正体の読めない女性だそうだ」
「身なりはぼろぼろなのに……丁寧……?
旅人、という感じでもなく?」
「分からん。
だが予定の荷馬車に余裕はあるだろう?」
「は、はい。空席は一つあります」
「なら乗せろ。
どうせ鉱山は人手不足だ。
下働きの一人くらい、向こうも困らんだろう」
青年は荷物の包帯を整えながら不安げに聞いた。
「えっと……その女性、危険というか……怪しいというか……」
「怪しいからこそ、鉱山に送る。」
ロッシュは淡々と言う。
「ギルドに置くより、彼女自身が望む場所に送る方が安全だ。
それに――」
「それに?」
「何か変化の前には、必ず変な者が現れる。」
青年は言葉を失った。
「出発は明朝だ。
物資の準備と、例の女性の迎え入れをしておけ。」
「りょ、了解しました!」
青年は勢いよく飛び出すように部屋を後にした。
扉が閉まると、ロッシュはひとり呟いた。
「鉄鉱山……
何を隠している?
この国が揺らぎ始めているのは間違いないな」
2. そして翌朝――
厩舎で馬を整えていた青年は、
背後に足音が近づくのを感じた。
「……失礼します。ここが、鉱山行きの馬車でしょうか?」
振り向いた瞬間、彼は目を見開いた。
そこに立っていたのは、
古い布を重ねただけのボロい服――
なのに、なぜか背筋がまっすぐで、
仕草は驚くほど上品な“女性”だった。
場違いなほど丁寧な動き。
澄んだ声。
土埃の中でだけ輝くような眼。
(……なんだ……この違和感……
服装だけ見れば貧民だが……
態度は……貴族のような……?)
「わたしを……乗せていただけると聞きました」
「あ、ああ……君が下働きを希望した人か……?」
「はい。ぜひ働かせてください」
青年はなぜか圧倒され、ただ頷くしかなかった。
「……まあ、乗ってくれ。出発だ」
「ありがとうございます」
彼女は静かに一礼し、馬車へ乗り込んだ。
その一挙手一投足が、
ボロ布では隠しきれない謎の気品を放っていた。
(……なんなんだ……この女性……
とてもただの下働きには見えない……)
青年は馬車の手綱を握り、
深く息を吐いて出発した。
ロッシュが予感したとおり――
鉄鉱山はすでに変化の中心になりつつあった。
数字で世界の動きを真っ先に感じ取るが商人。
その象徴がロッシュです。
彼が気づいたこの異変、さてはてどうなるでしょうか。
そして、ボロを纏った「謎の美女」。 彼女が鉱山に向かう意味とは……?
謎の美女「コーーーージーーーーーーー(サイリウムを振りかざしながら)」
謎の美女「コージ様の鉱山ライブ!最高!至高!
ミツキが書いているブロマイドも
コージ様の魅力を引き出していてGood
サイリウムを回しすぎて疲れちゃったけど、
ブロマイド見ながら食べるパン、飲むお酒は最高ね!」
ハルト「次回 歌姫革命譚 鉱山アイドル・コージ爆誕ーーー初のファンは謎の美女
お楽しみに。って、俺主人公なのに名前でてない」
ロッシュ「コージとミツキは金になるが、ハルトは、、、、、」




