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第七話:僕だけの笑顔を守りたい
Fランクハンターとしての生活が少し板についてきたある晴れた午後、コウタはハンターギルドの掲示板の隅で、いつもの雑用クエストとは少し違うものを見つけた。
【特別依頼】
内容:街の花壇の手入れと水やり
報酬:800G
備考:花の知識は問いません。心を込めてお願いします
「ねえ、リア、これどうだ?いつもの草むしりよりはマシだろ?」
リアは依頼書をじっと見つめ、目を輝かせた。
「花のお世話…私、とってもやってみたい!」
内心:(かわいい花たちに囲まれて、コウタくんと過ごせるなんて…すごく楽しみ!)
そうして二人は街の小さな公園にある花壇の前に立っていた。
「うわー、きれい!いろんな色のお花があるね!」
リアは早速しゃがみ込み、愛おしそうに花びらに触れる。
「よし、じゃあ俺は雑草を抜くから、リアは水やりを頼むよ」
「はい!任せて!」
作業を始めてしばらくすると、コウタの視界にいつものクエスト表示とは違う、柔らかな光の文字が浮かんだ。
【特別クエスト発生】
『リアの笑顔を守れ』
内容:南雲リアを一日中笑顔にする
報酬:絆ポイント+50 / リアの特別な笑顔
「!」
コウタは思わず顔を赤らめた。この《クエスト視認》能力、時々本当に恥ずかしい任務をくれる。
(ま、まあいい…リアの笑顔が見たいのは本当だしな)
コウタは密かに決意を固める。今日はいつも以上にリアを喜ばせよう。
「コウタくん、見て見て!ちょうちょがとまってるよ!」
リアが楽しそうに手を振る。彼女の頬には笑顔と少しだけ汗が光っていた。
「お、おう…可愛いな」
内心:(ちょうちょより、お前の方が可愛いんだが…)
作業の合間の休憩時間、コウタは勇気を出して提案した。
「な、なあ、リア…ちょっと手をつないでみないか?」
「え?」
リアは一瞬驚いた表情を見せた後、顔を赤らめてうつむいた。
「…いいよ」
そっと手をつなぎながら、二人は公園の小道を歩く。リアの手は小さくて柔らかく、コウタの手のひらにすっぽりと収まった。
【ミッション進捗】
リアの幸福度+20%
「コウタくんの手、大きいね…温かい」
リアは恥ずかしそうに呟く。
「あ、ああ…リアの手は、小さくて可愛いな」
内心:(ずっとこのまま手をつないでいたいな…)
花壇の作業が終わり、依頼主のおばあさんから報酬を受け取ると、彼女は温かい笑顔で言った。
「あなたたち、とても仲がいいのね。これからもお互いを大切にしなさい」
「「は、はい!」」
二人は声を揃えて答え、顔を見合わせて笑った。
帰り道、夕日を受けて歩く二人の影が長く伸びている。
「今日は本当に楽しかった!コウタくん、ありがとう」
リアが嬉しそうにコウタの腕に寄り添う。
「俺もだ…またこういう依頼、探してみるよ」
【クエスト成功】
リアの笑顔を確認
報酬:絆ポイント+50 / リアの特別な笑顔を獲得
コウタは心の中でガッツポーズをした。リアの最高の笑顔が見られて、それだけで今日は大成功だった。
「ねえ、コウタくん、今度の休みも一緒にどこか行かない?」
「ああ、もちろん!どこにでも連れて行くよ」
夕焼け空の下、二人の会話はいつまでも続いていくのだった。
(第七話 了)




