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第四十三話:無言の問いかけ
朝、コウタは目覚まし時計が鳴る前に目を覚ました。窓の外はまだ薄暗い。すると、視界が深い青色に染まった。
【特別報酬クエスト(前払い報酬形式)】
報酬:この問いそのもの
※このクエストは、答えを求めるものではなく、問いかけるものです
問い1:
お前が必死に訓練に励んでいた時、二人は共に疲れていた。
クエスト効果の疲労回復はリアになかった。
あなたは彼女を幸せにできますか?
問い2:
ソファで眠る彼女をベッドにそのままにしていました。
掃除を彼女がやってくれてるだろうと思って。自分はやりませんでした。
あなたは彼女を幸せにできますか?
問い3:
師匠をクエストで見つけ出したリアにお前はどう感じました?
一歩先に行く彼女になにを感じました?
あなたは彼女を幸せにできますか?
問い4:
以前の覚悟を振り返って同じ気持ちが保てていますか?
あなたは彼女を幸せにできますか?
問い5:
クエストがあなたに師匠を見つけてくれると期待していましたか?
あなたは彼女を幸せにできますか?
コウタは布団の中でじっと動かず、これらの問いと静かに向き合った。
一つ一つの問いが、彼の胸を締め付ける。クエストが与えてくれた「報酬」は、まさにこの「問い」そのものだった。答えを教えてくれるのではなく、自分自身に問いかける機会をくれた。
(俺は…確かにクエストに頼りすぎていたかもしれない)
(リアが先に行くのを見て、寂しいと思ったこともある)
(でも…)
彼は深く息を吸った。
(それでも俺は、クエストがあろうとなかろうと、リアの幸せを願い続ける)
(クエストはきっかけに過ぎない。本当に大切なのは、俺自身の気持ちだ)
コウタは布団から起き上がり、窓の外のまだ暗い街を見つめた。
【クエスト受領完了】
真の報酬:自己との対話
説明:あなたは自分自身と誠実に向き合うことを選びました
今日も一日、クエストは彼を試し続けるだろう。しかし、この朝の静かな対話を通して、コウタは一つの確信を得ていた。
たとえ答えが出なくても、問い続けること。それが、彼なりのリアへの誠実な向き合い方なのだと。
【シークレットアンサー】
誰しも、最初から強くはありません。
今のあなたの覚悟は、まだ自分自身さえも幸せにできないほど、もろいものかもしれません。
人は簡単に歩みを止め、知らず知らずのうちに、大切なものをこぼし、失っていくものです。
それでも──
「強くなれ」という単純な言葉では伝えきれない何かを。
「前に進め」 という励ましだけでは埋められない溝を。
私たちは知っています。
あなたが、ただ「強さ」を求めるだけではないことを。
あなたが、本当に望んでいるのは──
“彼女とともに、幸せという名の、かけがえのない未来を掴み取ること”
それを成し遂げるためには、もがき、迷い、時にはクエストに頼り、時には自分自身の弱さと向き合いながら、一歩ずつ、“あなた自身の足で” 歩みを続けるしかない。
どうか、諦めずにクエストを続けてください。
経験を積み、成長し、そして──
“あなただけの『幸せの形』を、二人で見つけ出してください。”
それが、このシステムがあなたに伝えたい、たった一つの真実です。




