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第27話:コウタのEランク挑戦


朝日がアパートの窓から差し込む。コウタはキッチンで朝食の準備をしながら、ある決意を固めていた。


(リアがEランクになったんだ…俺もこのままじゃいられない)


《クエスト視認》が新しい表示を映し出す。


【新クエスト】

『Eランクへの道』

内容:一ヶ月以内にEランク昇格試験に合格せよ

報酬:新たな装備スロット解放

失敗ペナルティ:リアとの実力差がさらに開く


「コウタくん、何を考えてるの?」

リアが眠そうな目をこすりながらキッチンに入ってくる。


「ああ…ちょっと考え事だ。リア、俺もEランクを目指す」


リアの目がパッと輝く。

「本当!?よかった!一緒にEランクになろうね!」


内心リア:(そうこなくちゃ!私のコウタくんらしい!)


その日から、コウタの特訓が始まった。


 

コウタのEランク挑戦 - トレーニング編


コウタのEランク昇格試験に向けた過酷なトレーニングが始まった。しかし、彼の頭の中はトレーニングのこと以上に、ある一つの想いで溢れていた。


【早朝 5:00】基礎体力向上


· 10km走:街の外周を走りながら…

· 内心コウタ:(リアと一緒に走りたいな…彼女の隣で走りたい…)

· インターバル走:短距離ダッシュで息が切れても…

· 内心コウタ:(リアの笑顔を見るためなら、これくらい…!)


【午前 8:00】戦闘技術の磨き上げ


· リアとの模擬戦:森の中の広場で…

· 「守護者の誓い」を発動するたび:

· 内心コウタ:(リアを守りたい…ずっと守り続けたい…)

· リアの闇魔法をかわしながら:

· 内心コウタ:(彼女の隣にいる資格が欲しい…)

· 武器の扱い:剣と盾の練習中も…

· 内心コウタ:(強くなって、ずっとリアと並んで立ちたい…)


【午後 1:00】知識の習得


· 魔獣図鑑の暗記:Eランク魔獣の生態を学びながら…

· 内心コウタ:(リアと一緒に任務に行くんだ…)

· ゲート内の生存技術:方向感覚の保ち方を勉強しながら…

· 内心コウタ:(彼女を迷子にさせないようにしなきゃ…)


【夕方 5:00】実践的な訓練


· 雑用クエストの活用:単純な雑用をこなしながら…

· 内心コウタ:(この報酬でリアとご飯に行ける…)

· チームワークの確認:他のハンターと協力しながら…

· 内心コウタ:(でも一番の相棒はリアだ…)


【夜 8:00】自己評価と計画の見直し


· 一日のトレーニングを振り返り…

· 内心コウタ:(明日もリアに会える…)

· 翌日のトレーニングメニューを計画しながら…

· 内心コウタ:(リアと一緒にいられる時間を増やしたい…)


トレーニング中のコウタは、一見すると真剣そのものだが、その頭の中はピンク色の想いで満ちていた。リアが近くにいると、自然と彼の表情が柔らかくなる。


「コウタくん、今日のトレーニングお疲れ様」

「あ、ああ…リアも一緒に頑張ってくれてありがとう」


内心コウタ:(彼女の声を聞くだけで、疲れが吹き飛ぶ…)


夜、ベッドに入ると、コウタは今日一日を振り返る。


(リアと一緒にトレーニングできて幸せ…)

(彼女の笑顔が見られて幸せ…)

(明日もリアに会えると思うと、頑張れる…)


Eランク昇格への道のりは厳しいが、リアへの想いがコウタを支えていた。どんなに辛いトレーニングも、彼女と並んで立つための試練なら、むしろ嬉しいとさえ思えるのだった。


ある晩、コウタは疲れ果てて机で寝てしまった。リアが毛布をかけに来る。


「コウタくん…無理しすぎだよ」

彼女の目には心配の色が浮かぶ。


内心リア:(こんなに頑張ってるのに、私Eランクになれちゃって…ごめんね)


一ヶ月後、Eランク昇格試験の日がやってきた。


試験会場でコウタは緊張していた。そこに、応援に来たリアが走り寄る。


「コウタくん!これ、お守り!」

それはリアが手作りした小さな巾着だった。


「ありがとう、リア」

コウタはそれをしっかりと握りしめる。


試験内容は以下の3つ:


1. 基礎体力テスト

2. Eランク魔獣グリーンスライムとの模擬戦闘

3. ゲート内での危機対応能力


コウタは一つ一つの試験に全力で挑む。特に模擬戦闘では、「守護者の誓い」を駆使して見事に防御を見せる。


「お前の防御技術はなかなかのものだ」

試験官が感心したように言う。



すべての試験を終え、緊張した面持ちで結果を待つコウタ。試験官が名前を呼ぶ。


「コウタ君…」


一瞬の沈黙が流れ、そして告げられる。


「見事合格だ!」


「やったー!」

リアが飛び上がって喜ぶ中、コウタは試験官に深々と頭を下げた。


「ありがとうございます!」


そして、すぐにリアの方に向き直り、彼女の両手を握りしめて言った。


「ありがとう、リア!お前がいたから頑張れた!リアと一緒にいるために、俺は絶対に合格しなきゃいけないって思ってたから!」


内心コウタ:(これでやっと…ずっとリアの隣に立つ資格が手に入った。Eランクとして、対等な相棒として!)


リアの目に涙が光った。

「コウタくん…そんな…」

内心リア:(コウタくんがそんな風に思ってくれてたなんて…)


その夜、二人はアパートで小さなパーティーを開いた。


「本当におめでとう、コウタくん」

「ああ、でもこれは通過点だ。これからもずっと…」


コウタはリアの目を真っ直ぐ見つめる。


「お前と一緒に強くなっていく。約束だ」


【クエスト成功】

『Eランクへの道』完了

報酬:新装備スロット解放

特別報酬:『永遠の相棒』称号獲得


月明かりの下、二人はEランクハンターとして新たな一歩を踏み出した。コウタの胸には、ただ一つの確かな想いがあった。


(リアと一緒にいるためなら、どんな困難も乗り越えられる)

(これからもずっと、ずっと…お前の隣にいる)


二人の未来は、固い絆で結ばれ、輝きを増していくのだった。


(第27話 了)

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