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第二十一話:繕いきれない想い、再び


「ユニフォームを修復せよ」というクエストを前に、コウタは少し困惑していた。確かに第十七話でリアが彼のユニフォームを直してくれたが、今度はリア自身のユニフォームが傷んでいた。


(そういえば、リアはずっと同じユニフォームを着ていたな…)


コウタはこっそりとリアのユニフォームをチェックする。袖口は擦り切れ、ところどころに小さな裂け目が目立つ。デスストーカー戦闘の際のダメージが残っていた。


【クエスト詳細】

『リアのユニフォームを修復せよ』

条件:

1. 耐久値を80%以上に回復させる

2. 見た目の美しさを維持する

3. リアに気付かれないように実行する


「これは難しいな…」


コウタは考えた末、ある作戦を思いつく。夜中にこっそりユニフォームを「借りて」、ギルドの裁縫が得意な受付嬢に助けを求めることにした。


しかし、いざ実行に移そうとすると問題が発生した。


「コウタくん、私のユニフォームどこか知らない?」

「わ、わからないな…」


内心コウタ:(まずい、バレたか!?)


実はリアは、コウタが自分のために何かをしようとしていることに気づいていた。彼女はわざと見て見ぬふりをしていたのだ。


内心リア:(コウタくん、私のためにこっそり頑張ってるんだな…すごく嬉しいけど、直接言ってくれればいいのに)


結局、コウタの計画は失敗に終わり、二人で一緒にユニフォームを直すことになった。


「コウタくん、針の持ち方はこうだよ」

「お、おう…ありがとう」


コウタの不器用な手つきを見ながら、リアは思わず笑みがこぼれる。


内心リア:*(こうして二人で何かをする時間も、とっても幸せだな)**


【クエスト更新】

『二人でユニフォームを修復せよ』

条件変更:共同作業で完成度を高めよ


数時間後、ユニフォームは見事に修復された。コウタの不器用な縫い目と、リアの丁寧な縫い目が入り混じり、どこか温かみのある仕上がりになった。


「見て、コウタくん。私たちの共同作品だよ」

「ああ…これなら、もっと長持ちしそうだな」


リアは修復されたユニフォームを抱きしめた。

「このユニフォーム、これまで以上に大好きになったよ。だってコウタくんの想いが詰まってるから」


【クエスト成功】

ユニフォームの耐久値:120%

特殊効果『二人の思い出』を付与

防御力+15%


その夜、コウタは《クエスト視認》の新たな表示を見つめる。


【真のクエスト達成】

『彼女の幸せを理解する』

リアは物資的な豊かさより、

二人で過ごす時間を大切にしている


(そうか…リアは俺が思っている以上に、ただ一緒にいることを幸せに感じてくれているんだ)


コウタは、今日という日がまた一つ、二人の絆を深める大切な思い出となったことを確信した。


(第二十一話 了)

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