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第二十話:彼女に貧乏な思いはさせられん
バーベキューから数日後、コウタはふとリアの靴を見てハッとした。靴底がすり減り、ところどころひび割れている。
(そうか…デスストーカーの報酬で浮いたからって、調子に乗ってたんじゃないか)
(俺はともかく、リアにまで貧乏な思いをさせ続けるわけには…)
その瞬間、《クエスト視認》が激しく反応した。
【連続クエスト開始:彼女を幸せに】
第一目標:リアの靴を新品に買い替えよ
制限時間:3日
報酬:リアの幸福感+50
【警告】
現在の所持金:5,800G
リアの靴の相場:8,000G~
「くそ…まだ足りないか」
コウタはすぐに行動を起こした。ギルドへ直行し、報酬の高い雑用クエストを片っ端から受ける。
二日後…
【連続クエスト進捗】
所持金:9,200G
『靴を買い替えよ』達成可能
「よし、これで買える!」
コウタは街一番の靴屋へリアを連れて行く。
「え?私のためにお金を使わなくてもいいよ!」
「だめだ。俺の誇りの問題だ」
店内でリアは値札を見て目を丸くする。
「8,800Gもするの!?高いから別のでいいよ」
【クエスト警告】
『妥協するな』
安物では耐久性が足りません
「こ、この靴がいいんじゃない?」
コウタはわざとらしく別の安い靴を指さす。
「ええっ!?そ、それはダメだよコウタくん!」
リアが即座に反対する。
「だってこの靴、底が薄いし、縫い目も甘いし…」
内心:(コウタくんにはできるだけ良いものを履いてほしいんだから!)
結局、リアの強い希望でコウタは8,800Gの靴を買うことになった。
【連続クエスト更新】
第二目標:リアのユニフォームを修復せよ
第三目標:二人で美味しい食事をとれ
「コウタくん、ありがとう」
新しい靴を履いたリアがくるりと回る。
「でも、私よりコウタくんの方が…」
「俺のは後でいい」
コウタはきっぱりと言う。
「お前の笑顔が見られれば、それで十分だ」
その夜、コウタは《クエスト視認》の表示を見つめる。
【連続クエスト進行中】
達成率:33%
総合評価:彼女を幸せにするために成長中
(これからもっと強くなって、リアに不自由ない生活をさせてやる)
(それが、俺の役目だ)
コウタは拳を握りしめ、新たな決意を胸に刻んだ。
(第二十話 了)




