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第十八話:デスストーカー・バーベキュー会


デスストーカーの貴重な素材を売却したことで、コウタとリアはこれまでにない大金を手にした。ギルドを出た二人は、少し興奮気味に顔を見合わせる。


「コウタくん、すごいお金!これでしばらくは生活に困らないね!」

「ああ…でも、全部貯金するのもなんだし…」


コウタは《クエスト視認》をちらりと見る。新しいクエストが表示されていた。


【特別クエスト】

『祝賀会を開け』

内容:デスストーカー討伐の成功とリアのEランク昇格を祝う

報酬:絆ポイント+100 / 思い出+1


「ねえ、リア。せっかくだから、ちょっと贅沢しないか?」

「え?どういうこと?」

「バーベキューだ!新鮮な肉と野菜を買い込んで、思い切り祝おう!」


内心リア:(わあ!バーベキュー!コウタくんと一緒なら、すごく楽しそう!)


そうして二人は市場で材料を買い込み、街外れの河原でバーベキューを始める。高級な肉と野菜が並び、いつもの質素な食事とはまるで別世界だった。


「コウタくん、この肉すごく美味しい!」

「だろう?これがA5ランクの和牛ってやつだ!」


コウタは火の番をしながら、リアが嬉しそうに肉を頬張る姿を見つめる。その無邪気な笑顔に、胸が熱くなる。


内心コウタ:(俺が守りたいのは、まさにこの笑顔だ…)


夕暮れ時、河原に橙色の光が差し込む。二人は焼きたての肉を頬張りながら、将来の夢を語り合う。


「いつか、もっと大きい家に住めたらいいね」

「そうだな…庭付きの家で、毎週バーベキューができるくらいに」

「それじゃあ、太っちゃうよ?」

「それでもいいさ、リアの笑顔が見られれば」


バーベキューの後、片付けをしながらリアがつぶやく。

「でも、やっぱり普通の日常も好きだな」

「どういうこと?」

「高い肉も美味しいけど、コウタくんと二人でカレーを作るのも幸せだもの」


その言葉に、コウタははっとする。確かに今日は特別で幸せだったが、リアが本当に求めているのは、豪華さではなく、二人で過ごす時間そのものなのだ。


【クエスト成功】

祝賀会を無事に開催

絆ポイント+100獲得

新たな思い出『河原のバーベキュー』を記録


月明かりの下、手をつないで家路につく二人。デスストーカーとの死闘は恐ろしい経験だったが、そのおかげで得られたこの幸せな時間も確かにあった。


「ねえ、コウタくん」

「ん?」

「今日は本当にありがとう。私、とっても幸せ」

「こっちこそ、ありがとう…これからもずっと、お前を幸せにするから」


今日という日が、二人の思い出のアルバムの、また新しい一ページとなった。


(第十八話 了)

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