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第十一話:守り抜く誇り
Dランク昇格試験の当日。コウタとリアは試験会場で緊張しながら待機していた。
「コウタくん、手、震えてるよ」
「あ、ああ…でも大丈夫だ。俺たちならできる」
その時、コウタの視界に《クエスト視認》が表示された。
【昇格試験クエスト】
『Dランクへの道』
目標:試験官の評価を80%以上獲得
選択肢:
A. 効率的に敵を殲滅し、実力を証明する
B. 常にリアを最優先で守り続ける
報酬:Dランク昇格 / 新しい装備
試験が始まり、二人はEランク魔獣『ウィーラット』の群れと対峙する。
最初は順調だった。コウタは前衛として戦い、リアは後方から支援する。しかし次第に魔獣の数が増え、二人は追い詰められていく。
「コウタくん、後ろからも来る!」
リアの警告でコウタは振り返る。一匹のウィーラットがリアに急接近している。
その瞬間、《クエスト視認》が警告を発した。
【警告】
選択の時:
・今リアを守れば、試験不合格が確定
・敵を倒し続ければ、昇格の可能性あり
「くっ…!」
コウタは一瞬たりとも迷わない。
「リアをかばえ!」
コウタは咄嗟にリアの前に飛び出し、『守護者の誓い』を最大出力で発動する。ウィーラットの鋭い爪がコウタの腕を裂くが、彼は一歩も引かない。
「コウタくん!? でも、試験が…!」
「そんなのどうだっていい!お前を守ると決めたんだ!」
コウタは痛みに耐えながら、リアを完全に守りきる。試験官たちは複雑な表情でそれを見守っていた。
試験終了の合図が鳴る。コウタは傷だらけになりながらも、リアを無傷で守り抜いた。
「見事な守護精神だ」
試験官が近づいてくる。
「しかし…試験の目的は魔獣討伐である。お前たちは時間内に討伐数を満たせなかった」
「つまり…不合格ですか」
コウタは覚悟を決めて問う。
「その通りだ。だが…」
試験官の口元がほころぶ。
「その自己犠牲の精神は、Dランク以上の価値がある。次回の試験では、必ずや合格させてやる」
ギルドを出る道すがら、リアが涙ながらにコウタの傷の手当てをする。
「ごめんなさい…私のせいで…」
「バカ。お前が無事でよかったんだ」
コウタはリアの涙を拭う。
「約束だろ?お前を守るって。それに、次は二人で合格しようぜ」
夕日の中、傷つきながらも誇り高く輝く二人。昇格はできなかったが、お互いを想う気持ちはより強く深まった。
ギルドを出る道すがら、リアが涙ながらにコウタの傷の手当てをする。
「ごめんなさい…私のせいで…」
「バカ。お前が無事でよかったんだ」
コウタはリアの涙を拭う。
「約束だろ?お前を守るって。それに、次は二人で合格しようぜ」
その瞬間、コウタの視界に《クエスト視認》が輝きだした。
【クエスト達成!】
『守ることを選んだ誇り』
真の報酬を解放します
【新スキル獲得】
『絆の守護』:
リアを守ることで一時的に防御力が200%上昇
リアの支援魔法効果が50%向上
【隠し条件達成】
『守ることを決して諦めない心』を確認
特別報酬:
・コウタとリアの絆レベルがMAXまで上昇
・二人の連携スキル『永遠の守護』解放
「コウタくん?またその不思議な表示が見えてる?」
リアが心配そうに顔を覗き込む。
「ああ…でも今回は、すごいものだ。俺たちの選択は間違ってなかったんだ」
コウタは新しく獲得したスキルの説明をリアにする。するとリアの目が輝いた。
「それじゃあ、次はもっと強くなれるね!」
「ああ、次こそは絶対に二人で合格してみせる」
夕日の中、傷つきながらも誇り高く輝く二人。昇格はできなかったが、お互いを想う気持ちと新たな力で、より強く結ばれた。
「ねえ、コウタくん」
「ん?」
「私、コウタくんの選択、とっても嬉しいよ」
「…バカなこと言うなよ。当たり前だろ」
そう言いながら、コウタはリアの手を強く握りしめた。彼の胸には、確かな手応えがあった。この道こそが、自分たちの進むべき道なのだと。
(第十一話 了)




