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第十話:僕たちの未来図
秋が深まり、少しずつ寒さが増してきたある日、コウタとリアはアパートで将来の夢を語り合っていた。
「ねえ、コウタくん。私たち、このままFランクハンターとしてやっていけるかな?」
リアがこたつの中でコウタに寄りかかりながら、ぼんやりと窓の外を見つめる。
「何言ってるんだ。もちろんだよ」
コウタはリアの肩を抱き寄せると、《クエスト視認》の画面を確認した。そこには新しいクエストが表示されていた。
【未来クエスト】
『二人の未来を描こう』
内容:リアと将来の夢を語り合う
報酬:絆レベル+1 / 共通の目標設定
「でもさ、いつまでも雑用クエストばかりじゃ…」
リアの声には少し不安がにじんでいた。
「大丈夫だよ。ほら、見てごらん」
コウタは貯金通帳を取り出し、リアに見せた。
「少しずつだけど、確実に貯まってるだろ?そのうち、もっと大きいアパートに引っ越せるよ」
「本当だ!先月よりずいぶん増えてるね!」
リアの目が輝いた。
内心:(コウタくん、ちゃんと私たちの未来のこと考えてくれてるんだ)
「それにさ、俺も少しずつ強くなってるしな」
コウタは《クエスト視認》が教えてくれた成長の記録を見せた。防御スキルや「かばう」の技が確実に上達していることが数字で示されていた。
「コウタくん、すごい…!」
「だから、いつかきっと…リアを誰にもバカにされないようにしてやる。世界一幸せなハンターペアになってやる」
コウタの言葉に、リアの目に涙が光った。
「私も…コウタくんを世界一幸せにするから」
二人は自然に手を握り合い、窓の外に広がる街の灯りを見つめた。
【クエスト成功】
絆レベルが1上がりました!
新スキル『未来への希望』を習得
「ねえ、コウタくん。私、小さな夢があるんだけど…」
「なんだ?言ってみろよ」
「その…いつか、私たちのアパートに小さな庭が欲しいなって。花を育てて、ハーブも育てて…」
「いいな!それなら、俺がプランターを手作りしてやるよ」
「本当?やったー!」
リアは嬉しそうにコウタに抱きついた。
夕闇が街を包み、アパートの明かりが温かく灯る中、二人はこれからも続く未来について語り合った。Fランクでも、貧乏でも、大切なのは二人が一緒にいられること――そう信じて。
(第十話 了)




