表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
正しい土魔法の使い方 ~理系おじさんの異世界生活~  作者: 麻鬼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/82

28話 爆走道中。

翌早朝、西門で待ち合わせた。

4人はすでに騎乗している。


「それで、移動なんだけどなぁ……」


申し訳なさげにシンディが何か言おうとするが。


「まかせろ。準備は万端だ」


それを遮って、サムズアップ。


「いでよ、マイ・カー」


収納からマイ・カーを取り出す。


「シーット、オーン」


着座する。


「ヒィィィィト、オーン」


燃料箱にマグマをクリエイト。

最初に、弾み車を手で回して回転させると、その後は自動で回り続ける。

シュコシュコとピストンが高速動作する音が心地良い。


「レェェェェッツ、ゴー」


クラッチを繋ぐと、マイ・カーは静かに走るのであった。




「これは、これは。ここはいったい。これがこうで、こっちが、ほうほうほう」


出発してからずっとアイリスが付きまとっている。

並走するのは良いが、右にいったり左に回ったり、忙しない。

前見ろよ、危ないぞ。

それでも、ちゃんと走れているのは賢い馬のおかげだ。ご苦労馬様です。


流石にスピードを出そうとすると馬の方が早いらしい。こっちはスピードの微調整とか出来ないしな。

その代わりに、永遠に走り続けることが出来る、というメリットがある。ボトルネックは俺の尻がどれだけ耐えられるか、だ。

とはいえ、騎馬と同行するのだから、休憩は必要。勝手に走って最後に帳尻が合えば良いというものでもない。

マイ・カーの走る速度に馬の方が合わせてくれている状態である。


「これは、私でも走らせることが出来るのですか?」


「いや、魔法を使わないと動く力が出ないな。しばらくは走れても、すぐに止まる」


常にマグマの温度を上げなければならないからな。


「魔道具でしょうか? エレメアなら動かせますか?」


「無理。俺の魔法を使ってるから」


と、いうことにしておこう。

前にも少し聞いたが、魔道具というのは使用者の魔力を吸いとって動く道具のことで、魔法を使えない人間でも、必要な魔力を持っていれば動かせるらしい。

魔力のない俺には使えなかった。


「でも、先程から呪文は唱えていませんよね? そういえば、収納から取り出すときも、起動の時も。いえ、起動の時に何か言ってましたか。……詠唱短縮?」


「呪文って、エレメアが魔法を使うときに、たまに口にしてるやつ?」


「たまに、ではありませんわ。魔法というのは呪文を唱えて使うものです」


横から、当のエレメアが口を挟んできた。


「呪文の文面って、どうなってんだ? 学校とか本とかで勉強すんの?」


「当たり前ですわ。王都には魔法学校もありますし、図書館には魔法構文を研究した蔵書も……」


「そういえば、ヨシツグさんが呪文を唱えてるところ、見たこと無いような?」


エレメアの言葉をアイリスが遮った。

そりゃだって、呪文なんてそもそも知らないしな。マナがなんとか言って、命令してる感じだったか?


「まあ、そんなのなくても、頑張ればできる、みたいな?」


「出来ませんわよっ」


「む、無詠唱魔法? ……」


マズかっただろうか? でも、さっきからアイリスの方は詠唱短縮だの無詠唱だの言ってるしな。やって出来ないことはないって感じじゃないかな?

よし、出来ることにしよう。いまさら、唱えてるフリするのも面倒だし。

おっと、上り坂だな。ギアチェンジ。


「おーい、遅れてんぞー」


スピードダウンした俺に、シンディが声をかけてくる。

いかん、限界を越えた。ピストンが負荷に負けてストップだ。


「すまん、坂道に弱いんだ。越えるとこまで乗せてくれ」


「ちっ、しゃーねえなぁ」


マイ・カーを収納し、一時的にシンディに乗せてもらう。

もう少し、パワーが出ると良いんだがなぁ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ