153話 コンボはロマン
さて、風呂から上がれば次は飯かな。
仕事から帰って来た旦那に、お風呂にする? 食事にする? それとも……なんて言うのは今どき流行らないとは思うが。
……でも、たまには良いよね……。
飢えてたのは他の子達もタケル君同様だろうけど、またカレーって言うのもな。
そういえば、シンディ達にもまだジャポニカ米は食べさせてなかったか。
ここは……オムライスかな。
えーと、俺、五人娘改め多国籍パーティー6人、日本学生チーム5人に開拓民チームがエヴァンゼリンさんとアナスタシアさんが来るとして、14個か。
ついでに自己紹介もしておかないとな。ケチャップでそれぞれの名前を書いておこうか。両方の文字で。
足りなければその時はカレーでいいや。レトルトも石化コピーしておいたし。
旗も作らないといけないか。
開けて翌日。
休息は取って貰って、これからの話をしなければならない。
「心配すんなって、俺たちの力があれば、冒険者としてやっていけるって」
と、タケル君なんかはポジティブに考えている様子だけれど、女の子二人の表情は暗い。
まあ、鉄球振り回して喜ぶ女子高生がいたら怖いとは思うが。……案外、多い気もするな。
すこし弄れば刑事になれそうだ。
「まあ、それよりも先にさ。君らの能力で何ができるか、の確認が先じゃないかな?」
「いや、もう秘密にしてる能力とかねえぞ? ユイ達の能力なんて単純だろ?」
本当に応用するってことを知らないな、最近の子供は。
コンボっていうのは調べて真似するのではなく、自分で考えるのが楽しいんだぞ。
「まあ、俺も試したいこととかあるから、とりあえず付き合ってよ、ね」
「まあ、そう言うなら。皆もいいだろ? おっさんなら仕事とか紹介してくれそうだしな」
住みたいんなら、ここに住んでもらっても構わないけどね。家くらい建てるし。
「じゃ、まずはこれだ」
俺はタケル君の石像を作って離れた位置に置く。
「タケル君、打出の小槌で、この石像を取り出してみてくれる?」
「ん? わかった。そらっ」
タケル君が打出の小槌を振ると遠くにあった石像がタケル君の元へと転移する。
これで、打出の小槌の能力が物体を作る能力ではなく、呼び寄せる能力であることが判ったわけだ。
「ん、ああ、なるほどな。こういう部分も細かく知っておいた方が良いってことか」
まあね。
あとは、石像を見えない場所に置いても呼び寄せられるかの確認。これも成功した。まあ、ここまではある程度予想がついていたことだ。
「つぎはレンカちゃん、いいかな」
レンカちゃんはスポーツ少女の方。タケル君がさっき話していたユイちゃんがふわふわ少女だな。
で、爽やか青年がコウキ君。普通に異世界召喚されていたら光の勇者になっていただろう名前だ。
さて、レンカちゃんも同様に能力の確認をする。
タケル君と石像の位置の入れ替え。これは見えている場所であれば可能で、隠してしまうとできない。これも事前情報の通り。
1つずつ確認して行くことが大事なんだよ。
「それじゃ、組み合わせていくぞ。ユウタ君は全員で能力を共有。タケル君は見えない場所の石像を取り寄せて。コウキ君はタケル君が打出の小槌を振り下ろす直前にタケル君をフリーズね」
タイミングは慣れだな。チームワークが試される。
「その状態で、レンカちゃんはタケル君が取り寄せようとしてる石像を認識できてる? できていたら全員まとめて石像と場所を入れ替えて?」
目の前からタケル君達が消えて、代わりに現れたのは石像。
そして、次の瞬間にタケル君達が再び現れる。
まあ、コウキ君がフリーズを解除したんだろうね。
「あの、ヨシツグさん。今の変な現象はなんですか?」
アイリスが口を出してくる。
「まあ、能力の組み合わせ発動だよ」
打出の小槌で取り寄せの能力が発動する直前に、取り寄せ対象と自分達の位置を入れ替えたわけだ。
そうすると、石像の方はそのままで、入れ替わったタケル君達が石像のある場所へ呼び寄せられた、という形になった。
複数の手札があるなら組み合わせないとね。
カードコンボはロマンがあるよねぇ。
さて、とりあえず結果は良さげである。なので、タケル君達に確認しなければならない。
「じゃ、タケル君達に質問だ。日本に帰りたいかい?」




