表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
正しい土魔法の使い方 ~理系おじさんの異世界生活~  作者: 麻鬼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

150/160

150話 圧倒的勝利者

あえなく倒されてしまったグレートブラックボルダー。

しかし、一撃は入れた。

これが最後のグレートブラックボルダーではない。俺とタケル君がいる限り、第二、第三のグレートブラックボルダーが……。

とタケル君との合流に向かおうとしたその時、全身を潰すような重圧を受ける。

重力が増えた訳ではない。あくまで精神的なもののはず。でなければ墜落している。

その重圧にも覚えはあった。以前のものとは比較にならないが。前の時はマッターホルンをまるごと包んでいただけであったそれは、今は広野全てを押し潰すかのよう。


「に、逃ぃげぇろぉぉぉ」


拡声器で地上に向かって叫ぶ。

果たしてどこまで声が届くかなど判らない。

だが、そんな心配も杞憂である。それぞれがこの重圧を感じとり、皆が蜘蛛の子を散らすかのように撤退していた。

残されたのはグレートブラックボルダーに貫かれて縫い止められた神兵のみ。

重圧の発生源は……東。


「げぇっ」


東に伸びるストンフォレストの山並みには、巨大な傷痕が麓から山頂へ向けて延びていた。それ以上は雲に隠れて見えないが、その雲すら傷を負っているような歪みがある。

傷というより、むしろ額に青筋を立てているかのようにも見える。


「……さっき神兵がやった攻撃のせい……だよな」


グレートブラックボルダーを貫いた光は、その威力を衰えさせること無くストンフォレストを削ったらしい。

山に刻まれた破壊の痕は、いずれ自然の風景へと変わるのであろうが、今はまだ不安定な揺らぎを晒している。

その仕打ちに対する報復であろう、怒りの奔流が渦となって産まれ、それは絶対不変の物理法則であるかのように到来する。

ストンフォレストの上から落とされるそれは、直線を描く力そのものの濁流。そこに飲み込まれたものの運命は果たしてどうなるか。

グレートブラックボルダーは粉微塵となって散乱した。

神兵は胴体の大部分を蒸発させて潰れた。

天から地をなぶるようなその攻撃は、大地をむしろ綺麗に整えているかのよう。不要なもの全てを否定して。

かろうじてそこに残されたのは神兵の頭。そして千切れた手足。


「げぇ、なんかグロテスク」


千切れた神兵は細い紐状の何かを伸ばして互いを繋げる。頭に直接手足が融合すると今度は蠢きを始める。

顔がもう少しかわいければ、タコっぽくも見えるかもしれないが、どちらかと言うとこわい顔のそれは這い寄る神話にしか見えない。どっちもタコだけど。

だが、そんな驚異的な再生能力も、圧倒的な力の前には虚しいものなのだろう。


「こぉぉぉのぉ、戯けがぁぁぁぁぁっ」


上空から迫る聞き慣れた黒い声。

その衝撃は最後に残された神兵の残骸をこの世から消し去った。


本日の勝者、闇の黒竜ことニンゼルクナルガ。

決まり手、流星式かかと落とし。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ