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正しい土魔法の使い方 ~理系おじさんの異世界生活~  作者: 麻鬼


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148/159

148話 大戦争

くぉぉぉぉぉぉっ。


神兵が雄叫びを上げる。それは、産まれたばかりの赤子が泣き声をあげる様にも見えた。

東京都庁サイズの赤子ではあるが。

見た目は風の谷にあった腐った巨人の様。


「あれを倒せる人いるー?」


居合わせた面々を見る。いねえよなぁ。


「……俺のハンマーなら、ダメージくらいは与えられる、と思う……」


タケル君に解体屋になってもらう感じか。

踏み潰されないと良いけどね。


「私はパスね」


「わたくしもそこまで無謀にはなれませんわね」


「ボクとしても、さすがにあれとは戦いようがないです。前言を覆すようですみません」


いやぁ、常識的な意見は大事だよ。


「ここは、拙者におまかせを。奴めの体内へと飛び込み、内部から破壊を……」


「それをリアルでやるのはやめた方がいいと思うぞ」


それで倒せてしまうなら、飯も食えやしない。

昔話じゃないんだから。


「弱点を攻めるって案なら、あたしはいいと思うけどね」


「問題は、何処の何が弱点か、ですね」


弱点かぁ。文字が書いてあったり、葉っぱが張り付いてたり?

判んねえよ、都庁の壁に落書きがあったってさ。

むしろ正攻法で、どでかいアースホールに落として溶岩攻撃?

……逆に大災害になりそうだ。せめてジェル島の外に追い出してからだな。


ちなみに、タケル君の友達四人はみんな呆然と立ち尽くしている。洗脳が解けた日本の学生じゃしょうがない。


「そもそも、神兵はこの後何をしようとするんでしょうか?」


「むしろ、それはヒース君の方が知らないの? 教皇とか世界樹とかから聞いてない?」


「神兵はもともと外敵と戦うためのものです。それをコントロールする存在があって然るべき、とは思いますが……」


「それが、アオイでしょうか? アオイはどうなったんですか?」


「粉になって消えた。目的を果たして満足したのか、限界だったのかは知らんけど」


まったく無責任な。


「あ、動き出しましたよ」


神兵は向きを北へ向け、ゆっくりと足を踏み出す。


「向かう先は北でしょうか?」


「そうすると、エルフの里も世界樹も、ただでは済みそうに無いですわね」


エレメアが顔を歪ませる。初めて見る表情だな。そんな場合ではないと重々承知の上ではあるが、貴重な一枚を写真に残したい衝動に駆られる。

自粛、自粛。

あんまり神兵の動きが遅いもんだから、なんか余計なこと考えちゃうんだよな。

まあ、それでも一歩が大きいから、移動速度はバカにはならないんだろうけど。

俺達の位置から見ると左から右へと向かって神兵は歩く。

その神兵に向かって、後方からの爆撃。

……う、なんか過去のトラウマが……。


「ハンドレッド国からの攻撃ですね」


砦から神兵に向けた攻撃は、魔法、大弓、投げ槍などが複合したもの。

……かつて俺のマイ・ジェットをボロボロにした攻撃だ。

全身至るところを攻撃に晒された神兵は、移動する向きをハンドレッドのある南東へと変える。


「うーん、とりあえず、外部から攻撃出来るような弱点は無さそうだよな」


「判断理由を伺っても?」


「いやさぁ。あれだけ全身攻撃されてたら、弱点があるなら庇う動作くらいするもんじゃない?」


人間なら誰でも、顔や目をまず庇うし、心得のある人なら首や手首を庇うだろう。

こちらが相手の情報を持っていなくても、相手は自分自身の事を知っているのだから、そういった仕草で判断することは可能なはずだ。


「全然効いてないみたいですね」


「痩せ我慢だったり、限度があったりするかもだけど、何の反応もないとやりづらいよね」


無駄かもしれないことにリソースを注ぎ続けるのは心理的にきつい。

と、今度は北の砦からの巨大な光が神兵を打つ。


「サウザンドの儀式魔術ですっ」


知っているのか、アイリスっ。

まあ、そりゃ自分の国だし、知っているか。

南へと動き始めていた神兵は、反対方向からの巨大な攻撃に対して再び歩みを止める。

しかし、派手な爆発の大きさに反して、神兵の方に変化と呼べるものはない。


「このまま、交互攻撃で削れるのかなぁ。というか、いつの間にあんな連携を準備してたんだ?」


「世界樹からの協力要請は全ての国へ行っているはずです」


ああ、あの世界樹の出張用になってる木って、他の国にもあるのか。そりゃそうか。


「おお、次はラフウッド帝国の騎馬部隊でござるよ」


南西の砦から出撃した一団は、土煙を上げて神兵の足元へと接近する。

その先頭を駆けるのは、マントを靡かせ、頭に髷を結った髭の男。

なんか、何処かで見たことある気がする。……マスクとか着けたら思い出すかもしれない。


「親父殿でござるな」


それって、帝国の皇帝じゃなかったっけ?

騎馬のまま神兵をすり抜けるように獲物を振り回して攻撃を加える騎兵団は、刃を集めて流れる濁流の様。

それに連動して北からも地上を駆ける一団と、空から飛来する一団。

獣人の混成チームが反対側の足と、頭部へと群がる。

しかし、どちらも如何せんサイズが違いすぎていた。

それでも、ガラスに砂を吹き付けるかのように神兵の一部を削り取っているようだ。

そして、神兵が反応を示せば一旦距離を取るヒットアンドアウェイ。

それを援護するように北から弓と魔法による攻撃。北からってことはエルフっぽい。

ジェル島総力戦だな。


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― 新着の感想 ―
戦傀儡そのまま地面に収納出来たりしてwww
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