139話 癒し担当
「じゃあ、とっととそのアオイってのをぶっ倒しに行こうぜ。構わねえんだよな」
まあ、待ちなさいってタケル君。
「いくつか聞きたいことがあるんだけど」
「かまわんである。何でも聞くと良い」
じゃ、お言葉に甘えて。
「とりあえず、まずはタケル君達が元の世界に戻れるかどうか、については判る?」
「お、おっさん……」
ああ、うん。いいから、そのチワワみたいな目はやめて。なんかキモい。
「……無理、と考えるであるな」
「召喚方法について詳細が判りませんが、正確に狙いを付けてのものとは考えづらいでしょうな」
「ああ、確か糸を垂らして引っ掛かったら引き寄せるとかなんとか」
「おそらく、そのような形でしょう。糸では引き寄せることはできても、押し出すことはできません」
うん、ま、そんな感じかな、やっぱ。
タケル君達にとってはショックかなぁ。
まあ、この世界でも結構、暮らせるから。
現代日本に匹敵する快適な生活の再現は、俺のライフワークだからね。不老永命だけど。
「じゃあ、次だけど。アオイっていうのに支配された状態って、治す方法はないの?」
「それも、召喚魔法に付随したものと考えているである」
「つまり、詳細はアオイでなければ判りません。むしろ、そちらの方が支配されていない理由から辿ってはいかがでしょうか?」
全員の視線がタケル君に集まる。
「お、俺? そんなこと言われても最初からそうだっただけだぜ?」
「イレギュラー、でしょうか」
うーん、というより、大黒天の加護だよなぁ、多分。
「あ、そういえば、一人にタケル君の薬飲ませたんじゃなかったっけ?」
「ん? ああ、あれか。そういや、効いてた感じしてたな。もしかしたら、ユウタのやつは支配ってやつが解けたのか?」
「ほう、そのようなものがあるであるか。見せてもらっても良いであるかな?」
促されて、大黒丹を世界樹の御館様に渡すタケル君。
……止めた方が良かったかなあ?
「……これは、世界樹の実に匹敵する癒しの力を感じるである……」
「なんですと。それほどの……」
ヒース君パパが驚愕している。
世界樹の実は癒しの力がすごいらしい。
ニーナの漬け込み酒、どうなったかなぁ?
……黙っとこ。
「じゃ、その薬、俺にも少し分けてもらってもいいかな?」
とりあえず、タケル君にお願いしておこう。
「ん? 怪我したとき用か?」
「いや、タケル君の友達に食べさせる用だよ。チャンスがあるかもしれないし」
「まあ、そういうことなら……」
取りあえず四粒受け取る。
後でわらび餅に仕込んでおこう。
餡子の甘さ強めで誤魔化せるだろう。
実物はそんなに臭いはしないけど。




