117話 襲撃者
さて、ではすぐにでも北に向かうわけだが、その前に。
「アースサーチ」
島の地理の確認。かなり大きいのは見ればわかるのだけど、縮尺が判らないからそこは目算になる。
世界儀にも追加しておこう。
南北に細く伸びる単純な形の島。できるだけ北に向かったと言うのなら、島の北端を目指せば良いだろう。
「なんじゃ、またブラックボルダーに乗って行くのか?」
「そりゃ、いきなり何に襲われるか判ったもんじゃないからな。生身で外を歩くのは危険だろ」
ここまで魔境とは思わなかったよ。
世界一周したときは運が良かったのかな。
あれ、まてよ?
「前に、外の大陸に行った時、魔物の類いってニーナから逃げてなかったか?」
夜営の時なんかも。
「妾が力を抑えておらねば、そうなるじゃろうの。じゃが、それをすれば一時身を隠した魔物に、残ったものが襲われるのが落ちじゃろ。まとめて排除しておく方が意に沿ったものではないのかの?」
それはまあ、そうなんだけど、それで戦うのが俺なのはなんか違う気がする。
もっと強い人、いっぱい居るよね?
ドラスレ君は領地があるから呼べないにしても。
「何事も修行じゃよ」
ドラゴンって人生すべて修行って生態なのかな? 山の上で力比べし続けてるとか言ってたし。
自分よりも強いやつに会いに行く、的な?
負けそうになったら、数の暴力で戦ったりするんだろうか。
怖いな、ドラゴンの集団とか。地面ごと均されそうだ。
ステイブルフォームで北へと進む。
島は植物で覆われてはいるものの、高い木は少ない。
その代わりというわけでもないだろうが、凹凸がとにかく多い。
……整地しちゃったらダメかな? まあ、やめておこう。勝手にやると怒られるかもしれん。
一度高台を登ると、その後は緩い下りが続くようになる。
油断せずにいこう。
なぜならば、アースサーチに反応があるからだ。
左の茂みに隠れているものが居る。
ブラックボルダーの足を止めて、アースソードを両手に装着。襲撃に備える。
そして、そいつは身を隠すのをやめて襲いかかってきた。




