114話 バトル×バトル
「アースソードッ」
ブラックボルダーステイブルモード。その両手にそれぞれ剣を固定。
「いくぞ、突貫っ」
両手の剣を前方に突き出した姿勢で、黒虫の集まる中へ突撃を敢行する。
そして、その次には両腕を左右に伸ばして、その場で回転。
当たるを幸いに数を減らす。
ここで、アースサーチ。
囲みの薄い場所、そして障害の無い広い場所を探す。
「蝶のように舞い、蜂のように刺ぁぁすっ」
再度突貫して囲みから抜ける。
ポイントは、一度に動かすアースアクチュエータが少なくて済むことだな。
距離を取ったら反転して、追ってくる黒虫をアースソードの左右振りで牽制。
囲まれたら回転攻撃に移り、突貫で脱出。
ふっ。パターンに入ったな。
5回ほど繰り返したあとには、まともに動ける黒虫は居なくなっていた。
「どうよ、これなら文句ないだろ」
「ふむ、ここは見直しておいてやろう。じゃが、次の相手には今のも通用せんぞ?」
「次って?」
ぶぶぶぶぶぶぶっ。
北の空からこっちに向かってくる黒い雲。
いや、現実逃避はやめよう。雲はあんな音をたてない。
やってくるのは黒虫よりさらに一回り大きい蜂の群れ。
それが上空からこちらに向かってくる。
なんなの? この魔境。
さっき蜂って言葉を口にしたのが不味かったの?
「さあ、どうするのう? 妾としてはジェットフォームでのドッグファイトを所望するぞえ」
しねえよ。だいたい、相手が蜂の群れじゃ、ドッグファイトなんて成立しないだろ。
単語だけ拾って、適当なこと言ってるな、こいつ。
ブラックボルダーの背中側にある左右二本の砲塔を肩越しに前方に向ける。
「ナパームキャノンッ」
ナパーム弾の連続撃ち。
蜂の群れへと着弾する度、炎を撒き散らす。
炎は蜂の翅を燃やし、その炎がまた別の蜂へと燃え移る。
あえなく、黒い雲は消え去った。まあ、落下しても生きているかもしれないが、翅の無い蜂なんてどうとでもなるだろう。後で処理しに行けばいい。
「むう、今のはちと詰まらんではないか?」
「知らねえよ。アースホールは使ってねえだろ」
空飛んでる相手に落とし穴なんて、そもそも無意味だろうけど。
「まあ、よい。……次で最後のようじゃぞ」
「ちょっと待てやぁ」
無意味にドヤ顔のニーナへ突っ込みを入れる間もなく、現れたのはこちらよりも巨大な姿。
落ちた蜂を踏み潰し、手当たり次第に喰らいながら登場したのは、一匹のティラノサウルスだった。




