105話 マスカレイド。
闘技大会の予選は、参加者を8つに分けてのバトルロイヤル。それぞれの勝ち残りでトーナメントが行われる。
……のだが。
立っているものはニートでも使え、とばかりにこき使われてしまった。
予選が終わって、やっと一息つけたものの、なんなんだあの司会者、雇われらしいけど、人を使い慣れてやがる。
これなら、参加だけしてさっさと負けてた方が楽だったな。
舞台の上では、決勝トーナメントに残った8名の選手紹介が行われていた。
「さあ、それでは選ばれた8人を紹介していくぜぇ」
舞台に並ぶ面々は、見知らぬ顔ばかり。まあ、顔というか……。
「なあ、お前らは参加しなかったのか?」
舞台袖から関係者特権で覗いている状態であるが、同じく職権乱用し放題の4人娘改め5人娘が揃っていた。
「ちくしょう、あのクソお……」
シンディは隅っこでブツブツ呟いている。
「出場はしたわよ。負けただけ」
「シンディは動きが悪かったところもありましたわね」
「多分、食べ過ぎだと思います」
「それを置いても、あれは反則でござるよ……」
シンディだけでなく、ユキやカエデも負けたっぽいな。
つまり、舞台に立っているのは、この連中より強いってことか。
舞台では選手紹介が進んでいる。
「一人目は、愛する娘のためなら全てを粉砕。ミスターパピィー!」
紹介に合わせて観客アピールをしているのは、覆面を被った熊のような大男。
うん、見たことのない顔だな。覆面だけど。
「続いてぇ。森の奥からやって来た。百獣の王者、ワイルドォォライオォォン」
一歩前に出て両腕をあげて雄叫びを上げるのは、覆面を被った獣人。大柄な筋肉質の肉体を金色の体毛が覆っている。
「なあ、覆面が流行ってるのか?」
壇上にいる8名の選手全員が各人様々とはいえ揃って覆面をしている様は、異様の一言である。
「そんなの、あの連中だけですわよ」
「まあ、こうなるんじゃないかなー、とは思ってました」
順に紹介されてはいくものの。
マックス・ザ・ブシドー。
マスターオブマスター。
ジャスティスガード。
シルバーファング。
エックス。
ナンバートゥエルブ。
……全員偽名だろ、これ。
「あれ、ヨシツグさん、試合は見ないんですか?」
「ああ、うん。なんか疲れた」
一眠りしたいや、もう。




