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警察を信用できなくなっている羽田。


-㉕歪んだ権力-


 どう見ても羽田の方が気が気でない様な感じなのだが通話の向こうの警官は驚くほど冷静だった。


警官「分かりました、貝塚学園にす・・・ガチャ!」

羽田「ん?!」

海斗「切・・・、ら・・・、れた・・・。」

結愛「どうゆう事?」

羽田「恐れ入ります、信じたくはないのですが警察内で何かしらの権力での圧力がかけられているのかと・・・。」

結愛「ま・・・さ・・・か・・・。」

海斗「お父様ということですか?」

羽田「下手したらの話ですが・・・。」


 一方、羽田の嫌な予感が的中したらしく、警察署には義弘の姿があった。警察署長の部屋で威張って座っている。

 署長と警視庁の警視総監はとなりで正座させられていた。ずっとブルブルと震えている。


義弘「署長、私に逆らってパトカーを走らせたらどうなるか分かっておるよな?」

警視総監「当然です、貝塚社長に逆らえるものなどこの国にはおりません。謝って逆らいでもしたら末代の恥でございます。」


 警視総監の家は4人家族で暮らしている。残り30年分残っている住宅ローンを義弘が一括で支払い貝塚財閥が全権を握っている様な有り得ない状況となってしまっていた。義弘はこの権力を行使して貝塚学園からの通報は全て無視するようにと指示を出していた。警視総監がローン代を義弘に返さない限り日本の警察は義弘の思い通りとなっている。殺人が多数発生することを予測して先に手を回していたという事だ。


結愛と海斗の2人は思った、『アレ』を使う時が来たのだと。いくら何でも殺人事件が2度も起こっているのに警察が動いていないのはやはりおかしすぎる、相当な権力という名の圧力を持ってでもないと実現しない話だ。

しかし、誰もが不審に思わない訳がない、特に貝塚財閥に莫大な投資をしている人間は。2人は乃木先生に相談すべく彼女を探しに行こうとしていた。その時、学園の出入口に1台のミニバンが停まった。羽田達黒服が近づいて事情聴取しようとしていた。

ミニバンの運転席が開き、長袖の作業着姿の男性が1人降りてきた。とめどなく流れる汗を首にかけたタオルでずっと拭いている。こんな暑いときに長袖なんてよく着るなとその場の全員が思った。(※今更ですが黒服にも夏用に半袖の制服があります。)


男性「暑い暑い、公恵きみえに言われて来てみたけどこんなに暑いならやめておくべきだったな、でも緊急事態だからそんな訳にもいかないし・・・。」

羽田「すみません、失礼ですがどちら様でしょうか。」

男性「ああ・・・、私娘に呼ばれて来たんですがね。」

羽田「生徒さんの保護者様か何かで?」

男性「いや、ここで働いているのですが・・・、それにしても暑い暑い、中に入ってよろしいでしょうか?」

羽田「申し訳ございません、関係者かどうかを確認できない限り中にはお入りいただけません。」


 その時、校舎から女性の声がした。


女性「と・・・、父ちゃん。」

男性「おー、公恵ー、来たぞー。」

羽田「あなたは・・・、乃木先生!という事は・・・、大変失礼致しました、申し訳ございません!」


 乃木先生の父親という事は乃木建設の代表取締役社長、つまり貝塚財閥の大株主の1人、羽田さんが怖気づくのは当然のことだ。事件の事を不審に思った乃木先生が相談を持ち掛けたのだった。ただ、殺人事件の現場にパトカーが1台も無いので父親の幸太郎こうたろうは辺りをキョロキョロして探した。1台も無い。


幸太郎「公恵、パトカーはどこに停まっているんだい?」

乃木「1台も・・・、来てない。」

幸太郎「黒服さん、110番通報はしたんですか?」

羽田「何度もしたのですが。」

幸太郎「おかしいですね・・・。」


 幸太郎が原因を考えていた時、羽田は社長で理事長の義弘が警察に圧を掛けているのではないかという予想を伝えた、実際そうなのだが。それなら大株主の自分が動けば警察が必ず来てくれる、幸太郎はそう思った。その瞬間、息を切らしながら結愛と海斗が走って来た、手には『あのチケット』が。


2人の勇気ある行動はどうなるのか。

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