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羽田はとにかく必死だった・・・。


-㉔猛暑の捜査-


 一斉捜査が始まり、黒服が学校中をうろついていた。

 しばらくして黒服の1人が3組の教室に入って来た。


黒服「黒服長、よろしいでしょうか?」

羽田「三田さんだか、どうした。」

三田「西條が見つかりました。ただ・・・。」

羽田「ん?」


 三田は西條を3組の教室に入れた。体中をぐるぐる巻きに縛られている。


羽田「西條、何があったんだ。」

西條「実はここにお茶を運ぼうとした時に後ろから電撃のようなものを突き付けられて気付けばこんなことに。」

三田「1階の掃除用具入れにこの状態で閉じ込められていたんです。」

羽田「という事は西條は無実・・・、因みに犯人の顔は覚えているか?」

西條「すみません、後ろから襲われたので見えてなくて・・・。」

羽田「分かった、ほどいてやるからゆっくり休め。」

西條「はっ、すみません。」


 三田は西條を連れて控室に向かった。西條はぐったりとしていてまだ少し体が重そうだった。ただ羽田や結愛の役に立てなかった事を悔いていて少し涙目になっていた、申し訳ないと言わんばかりに。

すれ違うように結愛達が息を切らしながら教室に戻って来た。


結愛「羽田さん、西條さんは見つかりましたの?」

羽田「見つかりましたが、西條は被害者だったようです。1階の掃除用具入れにぐるぐる巻きで閉じ込められてました。犯人の顔も覚えて無い様でして。」

結愛「そうですか・・・。もしかしたら例の指名手配犯の可能性もあり得ますわね。」

羽田「取り敢えず警察を呼びます、生徒の皆さんは各組の教室に戻ってください。さぁ、お嬢様も。」

結愛「はい、お願いしますわ。」


羽田は急いでインカムを外線に繋ぐように指示を出し110番通報した。


 30分、いや1時間以上は待ったのだが警察のパトカーは全く学園にやって来ない、静寂が辺りを包み皆息をするのがやっとの状態だった。その時、葬儀屋の寝台車が2台出入口に停車し亡くなった2人の遺体を運んでいった。以前4組の生徒が銃殺された時の様にてきぱきと作業を行い葬儀屋は去って行った。

しばらくして羽田が教室に戻って来た、警察がなかなか来ないので三田が相談をもちかけたのだ。


三田「黒服長、変ではないですか?葬儀屋はすぐに来るのに警察が全然来ないだなんて。」

羽田「海斗坊ちゃんと結愛お嬢様に相談してみよう。」

三田「ご主人様ではなく?」

羽田「うん、何か嫌な予感がしてならないんだよ。良かったら一緒に来てくれないか?」

三田「勿論です。」


 2人は海斗と結愛を探した。幸い2人とも2年1組の教室にいた、海斗のシスコンが珍しく役に立ったのだろうか、結愛を心配で海斗が様子を見に来ていた様だった。


羽田「お2人ともよろしいでしょうか。」

海斗「羽田さん・・・、警察は?」

羽田「1時間以上前に通報したのですが来ておりません。」

結愛「先程の寝台車は?」

三田「以前4組で起こった銃殺事件と同様に呼ばずともすぐに来ました。」

羽田「いくら何でも妙だと思いませんか?」


 妙だ、前回も今回もパトカーが1台も来ていない。

 結愛は羽田にインカムを借りてもう1度110番通報した。念の為にスピーカーに繋いで。


警官「110番です、どうされましたか?」

結愛「どうされましたかですって?!1時間も前に貝塚学園にと通報したのに全く警察の方がこられないのですが?!」

警官「はて、ありましたかね?」

羽田「お嬢様、よろしいでしょうか。」


羽田は気が気でない結愛を落ち着かせるため一旦インカムでの通話を代わった。


羽田「もしもし、人が殺されてんだぞ!今すぐ貝塚学園に警官をよこせ!」



 どうして警察は来ないのだろうか。

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