第二話 負けたくない戦いがここにある
授業が全て終わったから、私は部室に来ていた。
「おはよう。」
私は入ると同時にそう言った。
「この時間はおはようと言うより、こんにちはですけどね。」
「そんなんはどうでも良いんだよ。」
「そうですか。」
そう言って小手毬はパソコンに顔を向けた。さて、私もパソコンをいじるか。
部長ってそこそこめんどくさいんだよなぁ、鍵返さないといけないし。毎月部長で集まら無いといけないし…新入生に部長押し付けられないかな…
「小手毬。」
「なんですか水月さん。」
「新入部員来ると思うか?」
「来ないと思いますよ。」
「なんでそう思うんだ?」
「パソコンを触りたい人なんてあまりいませんし。居たとしても、その人は自分のパソコン持ってるから自分のパソコンを触るでしょう。」
「そう言われたらそうだな。」
「それにしてもなんでこんなこと聞いたんですか?水月さんのことだからコンピューター部のことを気にしているわけじゃないでしょう?」
「いや、新入部員が入ったらそいつに部長の座を譲ろうかなと。」
「なかなか凄いこと言ってますね水月さん、でも良かったですね水月さん、部長継続ですよ。」
「何も嬉しくねぇ。」
「そうですか…そんなことより久しぶりに適当なゲームで対戦しませんか?」
私と小手毬は良くゲームで対戦していた。
「良いけど何やる?」
「うーん、そうですね…pa◯manでどうですか?」
その伏せ字に意味が有るのかわからないが。
「別にそれでも良いが、pa〇manは対人ゲームじゃなくてスコア制だろ?どうやって対戦するんだ?」
Pa〇manは所謂ドットイートゲーム?とかいう奴でどちらかというと対戦ではなく得点を稼ぐゲームだ。
「そのスコアで戦うんですよ。」
「スコア...そのスコアが高い方が勝ちということか?」
「そういうことです…水月さんはやったことあるので練習時間は無くて良いですよね。」
「勝手に俺を経験者にすんな…まぁやったこと有るけど。」
「勝敗はゲームオーバーになるまでに稼いだポイントが高い方が勝ちというルールで良いですね?」
「ああ、良いぞ。」
「じゃあ、私今日帰るのが速いので、負けたら明日来る時に、飲み物を買って来るということで。」
「勝手に決めるな…まぁ、俺が勝つから良いけど。」
「水月さんって、弱い癖に自信だけは凄いですよね。」
「あぁ?」
吠え面かかせてやる。
今回は自己ベストも更新して上手くいったはずなんですが。
「なのになんで小手毬のスコアが俺のスコアより2倍以上高いんだよ。」
「それは、貴方が下手だからですよ。」
「くっ。」
負けたから言い返せねぇ。
「今日は私早く帰るんで、じゃあ明日来る時に午〇の紅茶を買っといてくださいね。」
ここまで来るとその伏せ字に意味無いだろ。
「負けたのは、俺だしな、買っとくよ。」
「ちゃんと買っといてくださいね。」
「分かってるよ。」
「その言葉を信用しときますよ。」
上からだな・・・今はあいつの方が上だったわ。
今日は先生来なかったな・・・先生って本当に顧問か?
小手毬 楓 (こでまり かえで)
色々な所が小さく、力が強いミディアムショートの女の子。
体の事を馬鹿にされるとキレる。
好物はコンビニとかに売ってるマスカットのカロリーゼロのゼリー(察してください)
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