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大魔王の剣は勇者の息子に託されてしまった!

作者: 黒銘菓

 大魔王デモンこと我輩は、20年前の勇者との戦いで敗れ去った。

 しかし!我輩は落ち延びていた!

 勇者の剣に憑依し、大魔王の剣として生き延びていた!

 とは言え、勇者は強く、剣に憑依した私は弱体化している。

 勇者に復讐するには足りなかった。昨日までは!



 「マイサン、お前にこの剣を託す。」

 今日、勇者は自慢の息子に我輩を手渡したのだ。

 20年前、我輩と対峙した勇者より未だ若い息子に……だ。

 『よっしゃあ!乗っ取りタイム!我輩の脚本で自慢の息子に殺される元勇者の惨劇の始まりだ!』

 毒気の無い顔で勇者の息子、マイサンは剣を受け取った。

 「父と母に恥じぬ様、頑張りまし。」

 舌っ足らずな言葉と共に我輩を受け取った。






 何故、こんな事が起きてしまったのだろう?

 テレパシーで大魔王軍幹部に連絡し、事情を話して息子が力を求める様に唆し要員を向かわせた。

 武闘派幹部5名。過剰戦力。

 勇者とて、ソロで挑めば無事では済まないそんな戦力が……。


 「バカなぁ!ラジオ大賞に千字以内の文字数制限があるとは言え、この拳万のシーがだった一文で出番終わりとは……ガクッ!」

 鎧 袖 一 触 だ っ た よ !

 一撃で台詞無かった四人を沈め、単騎最強の呼び声高い拳万のシーが一撃でやられたよ!

 「安心して下さい。峰打ちでし。」

 大魔王の剣(我輩)を鞘に納めてそう言った。



 やっべえ……この息子、やベー強ぇ。

 我輩を倒した勇者はそれはそれは強かった。

 が、拳万(シー)を倒す時、奴はパーティーで挑んでいた。

 息子、単騎でやりやがった!

 『ククク、力が欲しいか?』的な台詞を言いたかったのに、これじゃ要らない子だ我輩!


 「どういう事ですか大魔王様」「勇者の息子に絆されましたか?」「私達(大魔王軍)の事は遊びだったのね!」


 やべぇ。テレパシーで幹部から猛抗議来てる…。

 「どーしよ?」

 「ととしゃんの剣しゃん?何か言いましたか?」

 !ボヤキが息子に聞こえてる!

 「あの、勇者息子?もしかして…バレてる?」

 「はい!貴方の正体は……」

 走馬灯が見えてきた。

 あ、死んだこれ。

 「大魔王軍の悪さを止めるために力を貸してくれる剣の妖精しゃんでしね!?」

 「……あー………ぅん、その通り!

 我輩は剣の精霊!共に大魔王軍を締め上げようぞ!」





自慢の息子に殺される元勇者の惨劇が一変。勇者の息子に大魔王を寝取られた大魔王の惨劇と怨敵の息子に手込めにされた大魔王の惨劇が開幕した。

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