2話 黒と白
まだ3話はかけておりませんので、次の投稿には少し時間がかかるかもしれませんがこちらを読む代わりにもう一つの方を読んでいただければ嬉しいです。
はじめは、視界が真っ白だった。
だが、徐々に視界が白色と黒色の半分に分かれた。
まだ、包まれた感覚は消えていなかった。
「客人を前に」
そう言われると、包まれた感覚が無くなった。
「封印魔法解除しました」
俺を包んでたのは封印魔法だったのか! なるほど。
これは警戒心が強いエルフが期待できそうだ。
周りは中心で白と黒に分けられたコロッセウムのような感じだ。
「へ、今から殺されるとかじゃないだろうな。」そんなことを考えていると。
「今回の客の犯罪レベルは、悪魔ウルからの転生したらいいんじゃないの?というささやきがあったため、1です。」
白い方から声が聞こえる。
悪魔?そう呼んでいるということは、白い方が天使ということで黒い方が悪魔ということか。エルフはいないらしいがとりあえずエルフに会うことを一応の目標としておこう。
「犯罪レベル1なら、天国で過ごすか地獄で過ごすか客に選ばす。意義のあるものは言え」
次は悪魔から声が聞こえる。
「あの〜」
「名乗ってから話せ」
俺は「名乗ってから話す」を学んだ。
かみかわ じん
「私は上川 神というものなんですけど。今どう言う状況なのでしょうか?」
「今、かみと言ったか?」
「はい」
「どうゆう漢字を書くんだ?」
「上って書きます。かわは川で、じんは神です」
「神と言ったか⁉︎」
「……はい」
「こいつ神をバカにしているぞ!」
名前について文句を言われるこちらの気持ちになって欲しいが、天使の方からも悪魔の方からも素晴らしいほどのヤジが聞こえるので今は何も言ってはいけないことを理解した。
俺は「何も言わない」を覚えた。
「神をバカにしたこのものには、試練を与えるべきだと思うもの手を挙げろ」
ほぼ全員が手を挙げ、俺は試練を受けることになったらしい。
「試練はエーメ・タール・イージこの三つから選ぶ。自分がいかせたいと思う場所に手を挙げろ」
「エーメ」
全体の三分の一程度が手を挙げた。
「タール」
全体の三分の一程度が手を挙げた。
「エーメ・タールが全体の三分の一のためイージも三分の一と考えられる」
「試練第一条 手をあげた数が同じところがあれば、同じ試練も受けるというルールに従いこの者は全ての試練を受けることとなった」
「へ……」
どこか遠い場所に1人で突っ立っているかのような気分になった。
「なんだと!」
「え!何ですか?僕が何かしましたか?」
「今回この人間をこっちに来るように誘ったのは、ルルだったのか!」
「誘った悪魔がルルだとすれば試練第三条より犯罪レベル百以上の天使、または悪魔に誘われた場合、誘われた者の犯罪レベルは殺人以外の場合ゼロになる」
やった!僕の中は光で満たされた。
「しかし、試練第六条より裁判官が間違えた判決をしていて犯罪レベルがゼロの場合そのものは天使属そして悪魔族の中から自由に4人選んで一緒に試練を受ける」
いや誰だよその六条とか作ったやつ死んでくれよ。なんで試練結局受けるんだよ。
死んでくれよ。
「ルルは死刑でいい。その者連れていく者を選べ」
自分は死ねと言っていたが、死刑という言葉が重くのし掛かる。
「連れていく1人目はルルにする」
死刑から救ってやりたい。その心から本能的にルルを選んだ。
「何!」
「ルルを連れてくと言ったか?」
「その悪魔か天使か知らないけど助けてあげたいんだ」
「……ルル、この者に感謝するんだな。この者の役に立てなかった場合は予定通りお前を死刑とするが、役に立った場合は死刑は無しとする」
人を救った、そのことが嬉しくて六条を作った人は全身打撲ぐらいで良いかなと思えた。
「そんなにあまくしても良いのか?裁判官」
天使の方から声が聞こえた。
「よし、天使の方で今発言した奴を連れていく」
直感的に選んだ。声も俺が好きなクールっぽい声だったのもある。
「ワッハッハッハ。私を選ばぬとは愚かな奴だ」
悪魔の方から子供の声が聞こえた。
「あの〜、どちら様ですか?」
「我が名はルン・アリス」
アリスとゆう可愛い子の代表的名前は子供の悪魔の名前ということか。
「最年少にして最強の悪魔、他の奴とは比べ物にならないほどに強いぞ連れていかぬという選択肢はなかろう」
最強だって!そりゃあ連れていくしかないは。
「よしルン・アリスを連れていく」
その場の空気が凍った気がした。
「よしじゃあ天使たち全員俺の前に来い1人ずつ採点していく」
1人目2人目とどんどん進んで行き百人に到達した時目の端にその十番ほど後の天使が目に入った、ただならぬ気配を感じてまたもや直感的に選んだ。
「最後の1人はこの天使にする」
「え!私ですか⁉︎」
「なんだ何かいけないのか?」
「いや、嬉しいです」
この天使が選択する言葉は素晴らしい、そして声も優しい声だ。顔もベリベリグットで体もグットだ。
考えてみると俺を中心とするパーティーが出来て今では六条を作った人こそが天才だと思っていた。
「なあ、なんで俺を助けた?」
俺?ルルは男だったのか?疑問を持ちながら振り返った。そこには、目つきはあまり良くないが可愛い悪魔がいた。
「なあ、聞いてんのか?」
「ああ、聞いてるよ」
「なあ、なんで俺を助けたんだ?」
「あなたが俺を引っ掛けたとしても引っ掛かったのは俺だから死んで欲しくなかったんだ」
「なあ、しかし俺は今からお前を殺す」
「え⁉︎」
「なあ、冗談だよ。冗談が通じねぇ奴だな〜」
いや、お前がそんな冗談言って誰が騙されないんだよ。こいつはパーティーに入れるべきじゃ無かったかもしれないと少し思った
「私を選んだことに関して褒めてやろう。ワッハッハッハッハッハッハ」
子供の悪魔がやってきた。
「あ、ありがとうございます」
「今日から私はお前をクソかみと呼ぶ」
なぬ!最強だろうとなかろうと子どもにそれを言われるのはちょいときつい。
「最強から呼んでもらえるんだぞ、光栄に思え」
「……はい」
こいつもパーティーに入れるべきじゃなかったかもしれないと少しの少し上ぐらい思った。
「あんな簡単に決めてもらえるとは思っていなかったが、上川…ありがとう」
「あのミントがありがとうって言った……」
声が好きな天使はミントという名前らしい。他の天使、悪魔は口を開けて茫然としている。
「顔、上げて良いよ」
顔を上げてくれなければ、ついつい谷間に目が行ってしまう。
「はい」
「そんな丁寧じゃなくていいから」
顔は優しそうだけど責任感が強そうな好きな顔だ。このままじゃ自分のパーティーに恋をしてしまうかもしれない。
「あの〜少しいいか」
「うんいいよ」
そう言った瞬間ミントが手を振った何かが飛んできた。
スパ
え⁉︎ 何か切れた?もしかして首?
「こちらの方がいいと思うぞ」
地面に散らばる髪の毛を見た。あ、髪切ってくれたんだ。
「ありがとう」
髪を切られる時の恐怖がかなり強く、変な言い方になってしまった。
「すいません、ミントは、ど天然なんです」
天使1人ずつの中から選んだ天使が言った。
この声この顔で天然⁉︎ まあ、それもまたいいというものか。
「私の名前はソフィアです。1人だけ自己紹介してないな〜と思って、後、顔、整ってますね」
僕の体と電気が走り抜けた。うおー、嬉しい嬉しすぎるー。
「なあ、私たちはお前のことなんて呼べばいいんだ」
「なんでもいいよ」
「じゃ俺はお前のことをジンと言わせてもらう」
「私はさっき言った通りクソカミと呼ぶ」
「では、上川と言わせて貰う。私は」
「では、私はポーロ様と呼ばせていただきます」
「……ポーロ様?」
「この世界では1人が三つほど名前を持っているので、その名前で絵呼ばせていただこうかと思いましたが、ダメですか?」
「いいよ」
そんな不安そうな顔でダメですか?なんて聞かれてダメって言う奴がどこにいるんだよ。と思いながらそう言った。
「ポーロって呼び方はありなのか?」
居たー、俺の隣にいたー。
「呼びたいならルルもそう呼べばいいんじゃないかしら」
意外にも反対したのは、ミントではなくルルだった。やっぱり悪魔と天使だから対立があるのかな。
「いや、俺はジンでいい」
「呼び方で争わないでくれよ」
「はい」
「ソフィアは他になんて呼び方があるんだ?」
「私はないです。生まれつきある人は少ないんですよ」
「こん中では誰も持ってないのか?」
「そうだ誰も持っていない」
ミントが口を挟んだ。
「ポーロ様、ミントだけ持ってます」
「なんで言ったんだ……」
ミントの動きが止まったかと思うと頭から煙が出で倒れた。
「実はミントはミントがつけられた名前なんです」
「ふーんそれがどうしたの」
「それが……祭りの時にミントが数少ないミントアイスを食べまくっていて、ついたんです」
「そ、そうか。それは言いたくないな」
いつ起きるか分からないミント大好き女王のために笑いは必死に堪えた。
「じゃ、じゃあ本当の名前はなんなんだ?」
「本人には言ったってこと内緒にしてくださいよ、本名は」
ドン!と言う音と共にミントがソフィアの前に現れた。
「私の本名は、クイーンだ」
悪魔二人組は吹いた、そしてコケた。
「ふ〜ん。で?」
返す言葉が思いつかず。とりあえず受け流した。
「わ、私はこの名前を気に入っていないから呼んで欲しい名前がある。バーバリには」
「……!バーバリ?そう呼んで欲しいのか?」
「違うそれはバーバリの三つ目の名前だ」
バーバリは何かって聞いているときにバーバリという名前を使ってくるのはさすが天然と思わされた。
「分かった。で、現在ネームミントはなんて呼んで欲しいの?」
名前をつけるときに名前を呼ぶことがどれだけ難しいことかを理解した。
「私はぷーと呼んでほ」
「断る」
「ぷー」とは、おならでは無い。
そう呼んで欲しいらしいが呼ぶはずもないので聞く必要もない。
「そうか、では私のことをなんと呼ぶんだ?」
話し方からもがっかりしたことが分かる。
「ミントって呼ばしてもらう」
「分かった」
こうして割と無駄な会話は終わり、ついに冒険に出発だ。
「話は終わったのかクソかみ? なら買い物に行くぞ」
なぬ!まだ出発できないのか!
まあまだ始まったばかりだしな、ゆっくり行こうかゆっくり。
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