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神様の愛し子  作者: 九稲
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「魔力の属性は大きく分けて炎、水、土、光、闇の5つ。そこからさらに細分化され、水の派生から氷、土の派生から木、光の派生から雷、闇の派生から時空の4属性がある。」




エドさんが属性を1つ言うごとに、手に持った紙に属性のマークが浮かび上がって相関図ができていく。

えっ、まさかこれも魔法?何もしてないのにどんどん紙が埋まってくんだけど!?


目の前で実際に起こっている不思議現象に驚いていると、エドさんがまだまだこれからだと言う様に口の端を軽くあげた。

おおぅ、そのちょっとした悪戯仕掛けてきそうな悪いお顔もサマになってますね!






「…う?ほのおのはせいはないのー?」


紙に浮かんだ相関図をじっと見てると、5属性のうち炎だけ派生の属性がなくて思わず首を傾げる。

確かに炎から派生するものと聞かれても何も思い浮かばないけれど、他の属性からの派生はあるのでポッカリ開いたその部分がなんだか目立っている気が…?



「それを説明するにはまず、この世界の神様の話からしなくてはいけないが…ミツキ、この世界の神様は知っているか?」

「ううん…」


神様って言ってもなぁ。私この世界に来たのつい最近だから、神様どころかこの世界のこと何1つ知らないんだよね。

砦部隊のことはちょっとずつ知っていけてるのだけど…なんて考えながら、小さく首を横に振る。



「そうか、ではその話からしようか。

もともとこの世界に神が授けた魔法は1つしかなかったといわれている。それが火魔法だ。

諸説は多々出てはいるが、この世界の創造神たるアゼラ神が火を司る神だからだと言う説が1番有力だが…まぁ、おそらくそれで間違いはないだろう」



そう言ってくるりとエドさんが人差し指を回すと、キラキラした光が集まって私の目の前にミニチュアサイズの綺麗な女の人が現れた。

宝石も何もついていない真っ白なドレスを着た、どこか神秘的な雰囲気を醸し出す真っ白な女の人。

美しいその人をじっと見つめていると、ゆっくりと閉じられていた目蓋が上がっていって…瞬間、私は弾かれたようにエドさんを見上げていた。



だって、だって知ってるもん、この色。




服も肌も髪も真っ白な女の人の真っ白な睫毛に縁取られてる瞳は、燃えるような真っ赤な瞳だった。

これは、この人は…




「かみしゃま?」





思わず口からこぼれた言葉はしっかりとエドさんに届いていたらしく、小さく頷かれた。

やっぱりそっか…なるほど、私が神様の愛子って言われた理由はこれか。

白と赤のその配色は、確かに鏡で確認した今の私の姿と同じだった。



そういえば砦の人たちは確かに皆んなカラフルだったし、髪の色や瞳の色は地球ではありえないような色だったけど…そんなカラフルな砦でも、白と黒だけは見かけなかったなぁ。

この森とこの砦を象徴するあの2色だけは、私が見た砦の人たちの中では…総部隊長さんと私だけ。




…なんだか複雑な気分になっちゃうな…神様の愛子って、神様の色を持ってるから?

それともまた別に理由とかあるのかな。

何にしても私にはめちゃくちゃ重い称号なので、どうにかのしつけて返品したいんですがそこんとこどうなんですかね、神様!!



そんなことを思いながら目の前のミニチュア神様を眺めていると、物理的にキラキラしているそのミニチュア神様がふわりと微笑んだ。

…うっ、そんな綺麗な顔して微笑んだって絆されないんだからねっ!





「アゼラ神が世界を創造する際に授けた魔法が火属性だった。その火属性から派生したものが炎属性であり、そしてその炎属性から水、土、光、闇の4属性が派生したと言われている」



説明してくれるエドさんの言葉を聞きながらふんふんと頷いていると、一部分に引っかかって思わず首を傾げた。


「ほのおいがいのよんぞくせーもはせーだったの?」

「ああ。だから5属性も元は1つの属性、つまり火属性からの派生だ。

しかし世界が大きくなっていくにつれ、原初の属性である火属性は無くなり、派生の炎属性とそこから再び派生した4属性が主流の属性となった。

そして近年炎属性から派生した4属性から、再び別の4属性の派生が確認された」



私がこんがらないようにという配慮のもと、紙の上にどんどんと属性派生の相関図が出来上がっていくけれど…なんだかねずみ算式見てる気分になってきたなぁ…。

一瞬遠い目をしそうになったものの、なんとか理解した。






「ふしぎねー…」




魔法なんて未知の世界だからすごいなぁなんてしみじみと呟いたら、目の前のエドさんが何故かちょっと吹き出した。解せぬ!

ちなみに隣にいたリューはちょっと嬉しそうに頷いてくれたので良しとします。


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