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皆様大変お久しぶりです。世間が色々と大変なことになってますが、皆様の暇つぶしになれば幸いです。
お待ちいただいてた方々、お待たせいたしました…!
エドさんとリューのおかげでほっこりした気持ちに笑顔になりつつ、これでやっと魔法の授業に移れる!とエドさんを見上げたわけなんですが。
「…ミツキ、そんな期待したような目を向けているところ悪いが…君はまだ魔法は使えない」
「えっ」
「魔力を引き出しただけでは魔法はすぐには使えない。魔力研修によって魔力が引出されると、体内の魔素が魔力を含んで変質する」
私が驚いた声をあげれば、エドさんはどこが言いづらそうに眉を下げ私を見た。
「まずは体内を循環する変質した魔素に体が慣れることが必要だからな。
魔素に体が慣れると、次は内臓器官や魔血管が変質する。これは変質した魔素が要因と言われているが…魔素に強い体に作り変わるだけなので心配は要らん」
…あ、そういえばリョシュア先生が魔力研修のあとにもう一回健康診断においで、って言ってたけど、これのせいかー!
「体が全て作り変わるには最低でも丸一日は必要になる。その後から徐々に完全変質した体に慣れてようやく魔法を使用できるようになる」
「しょうなの…」
なんだか期待していた分、残念な気持ちが大きい。とは言え、今すぐ使えなくてもいつかは使えるって事なんだから全然嬉しいのだけど。
「じゃあじゃあっ、おはなしきくのはいーの?」
魔法を使いたい気持ちもそりゃあったけど、どんな魔法があるのかとか知りたいなと思ってたから、ぶっちゃけ話を聞くだけでも楽しそうなんだよなぁ。
さっきまでの落ち込みなんて放り投げて元気良く手をあげれば、エドさんが少し驚いたように目を見開いたあと柔らかく微笑んだ。
「それは勿論。魔素が体に馴染みきるまでは魔法を使うことは禁止されているが、その間は皆勉強して使用法を学んだりする。
ミツキが安全に魔法を使用できるよう私も協力しよう」
「やったぁー!」
元より魔力研修が終わった後は魔法の講義を行う予定だったらしく、エドさんから許可が出たのでウキウキで万歳すれば、エドさんとリューから微笑ましいものを見るような視線を送られた。
…ちょっと時間差で羞恥心が来てるので待ってもらっていいですか…いやね、これでも一応精神は大人でしてね…!
精神も幼児に引っ張られて羞恥心なんて感じない時もあるのに、なんでこういう時だけ感じるんだろうね!!?
襲いくる羞恥心と1人戦いながら、エドさんとリューと束の間のティータイムを楽しみましたよ…
「ミツキは持っている魔力属性が多い分、講義の内容が増えて時間がかかる。今日中では終えれないだろうな」
「しょうなの?」
「ああ。まぁ今日中に終わらないのならしばらくここに通えばいい。ルドヴィックの歪んだ顔が目に浮かぶがな」
一服を終えて満足げなため息が私の口から漏れるのを確認すると、エドさんにそろそろ始めると声をかけられた。
確か私の持ってる属性って、突出してるので光と炎、それと闇と氷と土と水だったっけ。
そもそも全部で属性がいくつあるのか知らないのだけど、これって多いのかな?
よく分からなくて首を傾げれば、リューに無言で頷かれた。
「ではまずは魔力の属性についての講義から始めるか」
「あいっ、おねがいしましゅ!」
いつのまにか机の上に置かれていた紙とペンを手に持ちつつ、ピシッと背筋を伸ばして返事をする。
これから未知の世界に足を踏み入れるのかと思うと、ものすごくワクワクするよね。
えぇ、年甲斐にもなくはしゃいでおりますとも!今にも小躍りしそうなくらいだもんね!
それは認めますから!なので2人してそんな暖かい目を向けないでー!




