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神様の愛し子  作者: 九稲
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おはようございます、昨日はいつの間にか寝落ちしていたミツキです。

気づいたら朝なんですが…起きた瞬間目に飛び込んできたのがイケオジ様の寝顔ってどういうことですか!!

もう驚きすぎて一瞬で眠気飛んだよ!!

悲鳴あげなかった私偉い!!




「ん、…ん〜?あぁ、起きたのか。おはよう、俺のカワイイさん」




ルドの寝顔を観察していたらゆっくりとあいたルドの瞳とバッチリ目があって、寝起の甘ーい声での朝の挨拶とデコチューを貰ってしまった。

朝からありがとうございます!!!!?




「お、おはよーるど…?きのう、ねちゃってごめんね」

「気にすんな。疲れてたんだろ?よく眠れたか?」


えぇ、それはもうぐっすり。

昨日の疲れなんて全然感じないほどにはよく眠れたみたいだよ。



「今日は守衛塔に行ってミツキの体に異常がないか見てもらった後、エドイアんとこで魔力の勉強だな」

「あい!がんばりゅー!」

「うし、そんじゃ着替えて食堂行くか。昨日キースベルが何日か分の服も置いてったから、好きなの着ていいぞ」


そう言ってルドが指差したクローゼットには私のために作られた服たちがズラッと並んでいた。

えっ、この量を昨日のうちに作ったの??

管理塔部隊の皆さん強すぎじゃない…?



とりあえずベッドから降りて(足がつかなかったのでルドに降ろしてもらって)服を物色する。

どれもこれも可愛くて、しかも私の好みドンピシャなものだから朝からテンションがめちゃくちゃ上がってしまった。

うわーー、迷うなぁ、どれにしよう…!

こっちのセーラーワンピースもカワイイし、こっちのオーバーオールも可愛い!!



「きょーはこれ!」

「ん?決まったか?そんじゃ洗面所はあっちな」


2つある扉のうちの片方を指さされたので、掛けてあった服を受け取って駆け足で向かう。

後ろ手で扉を閉め、すぐに服を脱ごうとしたところで手が止まった。


「お、おお…!」


前を向くと大きな全身鏡があったのだ。

鏡!!見たかった鏡がある!!

思わず食い込むように見ると、柔らかいウェーブのかかった白髪が胸のあたりで揺れている、ルビーのような紅い瞳をしたものすっごい美幼女がこちらを見返した。


…嘘でしょ、もしかしてこれ私!!?


ありえないほど顔面の造形が整っている幼女が鏡に映るものだから、思わず目が飛び出しそうになった。うわ、こんな顔しても可愛いとか美幼女すげえ…。


まんまるの大きな瞳にちょんとのった鼻、頬と唇は薄いピンクに染まっていて、肌はものすごく色白。

そして気づいたのは、髪の毛だけじゃなくまつ毛や眉毛も白いってこと。

…やっぱりこれって、アルビノ…かな。


うわぁ、でもやっぱりどれだけ見ても飽きないくらいには可愛い…可愛いぞ私…!

しかも今は昨日着ていた桜色のワンピースじゃなくて、足首まである真っ白なワンピースを着ていて、まるで天使のようだった。


この容姿なのに中身がこんなのとか…うっ、なんかすごく申し訳なくなってきた…!

このまま観察を続けると何らかの精神的ダメージをおいそうだったので、とりあえず着替えを優先することにした。

選んだ服を着てもう一度鏡を見れば、薄い水色のキャミソールワンピースに、ふわもこの白ポンチョを身につけた美幼女がニコニコ笑顔で立っている。

淡い色似合うなあ、可愛いなぁ…前世の私は確かパステル系の色味が合わない顔をしていたから、好きな服でも泣く泣く諦めていた…ってことだけは覚えてるぞ。今回の私まじグッジョブ…。

しかもこのポンチョ、後ろに天使の羽が付いている正に天使仕様!

さすがキースベルさん、分かってる!!!


着替えもできたしずっと見たかった今の容姿も見れた。

満足したのでルドのいる部屋へと戻ると、顔を見た瞬間に抱き上げられて賞賛の嵐とキスが顔中に降ってきてちょっと焦った。

ひぇ、朝から刺激が強いよー!!





「こんな可愛いミツキを他の奴らに見せたくねぇ。今日は引きこもるのもありか…」


なんて本気の目で言い出したので、お腹がすいて死にそうだとゴネてなんとか部屋の外へ出ることに成功した。

まぁ、1人にすると攫われそうだからって抱っこ移動を余儀なくされましたけどね。

突っ込むのも面倒なのでもう好きにしてください。










「らーなしゃん、おはよーごじゃます!」



食堂について厨房を覗くとラーナさんがいたので手を振ると、物凄く美しい笑顔で手を振りながらこっちへ来てくれた。



「おはようミツキちゃん、ルドヴィックも。昨日はよく眠れた?

今日の服もとっても可愛いわ!うふ、本当の天使さんね」



あう、私からしたらラーナさんは女神様に見えるよ…!


「ぐっすりねむれましたー!およーふくね、べるしゃんがいっぱいくれたの」

「それは良かったわ。

キースベルと服飾の隊員たちが物凄く張り切ってたものね。可愛い服なんて滅多に作れないからって燃えてたのよ?」

「昨日の夜中に大量に手渡されたんだよ。

あの量を半日でとかアイツ大丈夫なのか?」

「好きなことに関してだけは情熱は人一倍なのよねぇ。

でもこんなに可愛く仕上げたんだから、ボーナス弾まなくちゃいけないわね」


ラーナさんがそういうと、周りにいた隊員さんたちが嬉しそうに歓声を上げていた。

およ、喜んでるってことは服飾の隊員さんたちなのかな?




「えと、ふくしょくのたいいんしゃんたち、およーふくありがとごじゃました!」


こんなに可愛い服をくれたんだからお礼だけでも言っておかないと!と思ってルドの腕の中から声を張り上げると、歓声を上げていた人たちがピタリと固まったあと、先ほどとは比べ物にならないくらい大きな歓声が上がった。

中には崩れ落ちる人や号泣している人までいる。

ただ上がる歓声に紛れて、ロリ天使キタコレ!!とかペロペロペロペロとか謎の呪文が聞こえたんだけど…あ、鼻血…本当に大丈夫かなぁ。

もしかして徹夜したせいでハイになってる…?ちゃんと休んだ方がいいよ…??




なんだか阿鼻叫喚の隊員たちを見つめていると、ルドに強く抱き込まれて歓声を上げる面々から隠されてしまった。

ルドさんや?ちょっとびっくりしただけだからそこまでしなくても大丈夫だよ??






「…ラーナ、あとで数人始末していいか」

「むしろ私がやっておくわ」



なんだか怖い会話が頭上で行われてたけど、私は何も聞こえなかった!!

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