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勇者の会合

 朝早くに宿を出た俺達は王からの依頼を達成するために街から離れた魔獣の森と呼ばれる、魔獣の巣窟にきていた。


 「なぁ!結局のところ、王様からの依頼ってなんなんだ?こんな魔獣だらけの場所に来るってこたぁ やっぱり、魔獣狩りか?」


「いや、それが依頼内容は不明なんだ。何でもこの魔獣の森の中心部の大樹に他の勇者達が先に集まっていて依頼内容はそこで教えてもらう手筈になってる。」


アルベルトの疑問に俺が答えると


「へーー他の勇者さんもー来るんだー。ナオト以外の勇者さんにあったことーないからーちょーっとたのしみーー」


アマンダが能天気に反応していた。


「つまりは他の勇者様との合同依頼というわけですね?」


「あぁ、俺もそう思ってる。先輩達の足を引っ張らないようにしないとな」


そんな会話をしながら歩いていると森の中止部の大樹にたどり着いた。


大樹の下に人だかりはないが小さな人影が二人見えた。


一人は真っ赤な鎧の長身の男性、もう一人は黒の鎧で軽装の小柄な少年だった。


「あんたが最後に呼ばれたって噂のナオトか?」


長身の男性が俺に話しかけてきた。


「はい。俺が一応、最後の勇者のナオトです。」


緊張しながらも紹介を続ける。


「あと、隣にいるのがルナ、後ろにいる男がアルベルト、その隣がアマンダです。」


「よろしくお願いいたします。」


「よろしくな!」


「よーろーしーくー」


俺の紹介に続いて、3人もそれぞれ挨拶をしていた。


「自己紹介ありがとう。俺はケンジ、一応三番目の勇者をしている。んでこっちが」


ケンジが隣の小柄な少年を指さし


「トオル、五番目の勇者。以上。」


単調な自己紹介をしていた。



「お二人よもー勇者ーだったんですねー。そこのー少年はー赤い人のお仲間ーかと思いましたー。」


アマンダが直球の感想を二人の述べた。いやいや俺も思ったけど失礼過ぎるぞアマンダ!


「まぁ、コイツは小さいし、小柄だから勇者には見えんわなー」


ケンジが笑いながらトオルの背中を叩いていた。


「不服。」

 

トオルが不満を一言だけ呟いていた。


「そういえば、お二人はお仲間を連れてないんでしょうか?」


ルナが俺も気になっていた疑問を述べていた。


「あぁ、俺もコイツもソロで旅してる。他の勇者達はあんたらみたいにパーティー組んでるみたいだけど俺達には会わなくてな。その縁もあってコイツとは一番仲がいいんだ!」


ケンジがトオルに肩を組みだす。


「仲良し!」


トオルからも同じ答えがでていた。


「そうなんですか?そういえば今日の依頼内容を先に来ている勇者達から聞けと王の依頼書に書いていたんですが、ご存知ですか?」


俺は依頼のことを思い出し、二人の先輩勇者に今回の依頼内容について問いただす。


「あぁ、それならもう大丈夫だ。問題ない!依頼はとっくに達成したから」


「うん。」


二人の勇者が答える。


「えっ?そうなんですか?」


「いやーー二人ともーゆうしゅーだねーーお姉さんがチューしてあげようかー」


ルナとアマンダがそれぞれ違う反応をしていた。


「はい。だって…」


トオルがそう呟いていたとたんに背筋に悪寒のようなものが走り出す。


次の瞬間、ザシュッと何を刺す音が俺の隣で聞こえた。


「依頼は討伐。対象はあなたがたですから。」


トオルが抜いた細身の探検がアマンダの左目に刺さっていた。


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