転生した俺は勇者になりました
世の中には二種類の人間がいる。
利用される人間と利用する人間。
不運な交通事故で命を落とした俺は目が覚めると何故か異世界にいた。
この世界では魔法が主流であり俺がいた世界とは全くことなった。
この世界では前世の記憶を持つものは転生者と呼ばれ、転生者の特徴はこの世界にない文明の知識を持っていたり、並み外れた。魔法適正を持っている事だった。
俺が異世界の転生者であるとわかると国は俺をこの世界の「魔」を討ち滅ぼす存在の一人「勇者」として俺を迎え入れてくれた。
前世の世界では人から冷たく冷遇された扱いを受けていた俺にとってこの世界は天国のような場所であった。
「勇者」として選ばれた転生者は神が作ったとされる人智を超越した武器「神器」が与えられた。
この世界に「十」しか存在しない貴重な宝であり、人類が持つ最終兵器だそうだ。
「神器」は全てこの国が管理しているらしいが扱えるものは転生者しかいないそうだ。
俺は10人目の転生者、最後の勇者として国に残った最後の神器「聖剣クラレント」を授かった。
「10人目の勇者よ。そなたに我が国の最後の宝。神器「聖剣クラレント」をここに託す。」
今日この日、俺は国王から「聖剣クラレント」が手渡される。
「そなたはこれから先の9人の勇者たち同様、「魔」の根源たる悪魔たちの討伐に旅立ってもらう。」
国王からそう告げられる。
「はい。この剣に誓い、必ず「魔」を討ち滅ぼし、この国に平和をもたらすと約束しましょう!」
「うむ。ではこの国に刻み込め!新たなる勇者そなたの名を!」
「俺の名は「ナオキ」、勇者「イリエ=ナオキ」!」
王の言葉に感化し俺はこの国に自分の名を刻んだ。