第八話 【逢魔】
夢とは現在もまだ解明されていない睡眠中に見る幻覚のようなもの。レム睡眠中に夢を見ることが多く、一般的に視覚的なものを指す。
というのが夢だが問題はこれじゃない。
明晰夢とは夢の中でも自分で夢であると自覚しながら見る夢のことである。これは、脳内において思考・意識・長期記憶などに関わる前頭葉などが、海馬などと…
これが明晰夢の説明。そして、昨夜見た夢に当てはまる。
借りた本を読み終わった時間が大体6時前。最初は夢の本だけを軽く読もうと思っていただけだったが、いつの間にかもう1冊小説を読んでしまっていた。
「疲れた」
「そりゃあ本読みっぱなしだからでしょ」
リビングのソファで寝ている亮誠は目を瞑って夕飯の時間を待っている。キッチンでは母親が料理の準備をしている。
「飯になったら起こして」
そう言うと母親の返事を最後まで聞かずに眠りについてしまった。
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「はい、こんにちは。また来ました」
眠りについた亮誠は、とある広場のベンチで目を覚ました。誰にかけたわけでもなく言葉を発した。
「正直もういいんだけど」
変な夢を2回も見るとなると流石に大変だ。
「どうかしたの?お兄さん」
亮誠の独り言が聞こえたのか、犬のような顔の人(?)に話しかけられた。
「あ、いや、独り言です」
「あー、変な人」
「素直に言うね」
そんな2人の話にもう1人の人が来た。
「おお、どうした?知り合いか」
顔がまるでイケメンなゴリラで、図体の大きい人が来た。もうよく分からない。
「お兄さん、ホームレス?」
2人が顔を覗かせるその様子はまるで、籠の中にいるモルモットを観察しているかのようだった。