第五話【明晰夢】
こんにちは、いや、こんばんは?いやそれはどうでもいいけど、まず言いたいことがひとつある。いや、もっとあるけど取り敢えずひとつ。
「あの、ここはどこですか?」
ーーーーーーーーーー
事の発端は…なんだろうか。少なくともさっきまで、自分のベッドに寝ていた筈だ。でも、気づいたら目の前には大きな川があり、いや、正確には目の前には崖があり、その下に川があり、そこには見たことのない船のような乗り物があり、とにかく全体的に大きい。そして、そのさらに奥には大きい家々があり、おそらく街であると思われる地域があり、そのさらに奥には手前の家の5倍ぐらいの建物がある。そして…
と言っていたら終わらないような気がするから止める。
といってもここがどこなのかよく分からない、と思ったら、よく考えるとこれは夢なんじゃないかと考えた。いや、どう考えても夢だ。
というわけで、探索を開始します。
ーーーーーーーーーー
所持品はなし、もちろん所持金もなし。でもこれが夢だとすると、俺は何でも生み出せる、気がする。待って、今出せるじゃん、夢だから。
そう思ったのも束の間、どうやって出すのか分からず諦める。
情報を集めるために街に出ることにした。普段はあまりアグレッシブではないが、珍しくアグレッシブな自分に戸惑いながらも、街に向かった。
街につくと、多くの店が出ていて、多くの住民がいる。しかし、そこにいる住民にはRPGでよく見るような、人間のような体に動物の顔の生き物がいて、周りの人たちは自分を見て驚いていないようだから、人間もいると思う。ので、自分以外の人間を探しに行こう。
夢とは言えども探究心が疼き、どうしても自分で探しに行きたくなってしまう。だって、楽しいんだもん。