表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
見えないあの世界はいつからかーーー。  作者: 星花優架
第一章 【枯れに涸れ、嗄れ果てた世界】
4/10

第三話 【気さく先生】

 高校の入学式までの日常は早送りのように進み、あっという間に入学式当日になってしまった。

 ベッドから起床した亮誠は自分の部屋の壁に掛けられているカレンダーをふと見てみる。4月10日に赤色で丸が付けられており、その下に小さく“高_入学式”と書かれていた。

 朝の5時半に起きた亮誠は慣れた手つきで朝食をつくり、すぐにそれを食べ始めた。5時48分、朝食を食べ終わった亮誠は身支度を始めたが、6時には全ての身支度が終わり、登校時間まで待つことになった。

 7時20分頃、荷物を持って靴を履く。靴を履き終えると、鞄を肩に背負いドアノブに手をかけて誰もいない家に向き直った。


 「…行ってきます」



 ーーーーーーーーーー



 高校の正門に近づくにつれて、同級生になるであろう生徒の数がますます多くなり、その新入生を大きな桜の木が迎え入れている。

 入学式は余りに中学生時代に比べて生徒数が多く、緊張と関心が入り交じりながら、渡されたクラスの一覧を見て、クラスを確認する。1年F組の27番、それが亮誠のクラスと出席番号になる。

 見慣れない学校の造りに手惑いながらも、教室を見つけて少し緊張しながらも、教室に入る。

 パッと見ると、来ている生徒は14、5人いて、知り合いなのか、駄弁っている生徒も複数人いるが、逆に静かに本を読んでいる生徒もいる。

 黒板には、座席表が貼られており、見たところ、出席番号の順で決められている。

 亮誠は自分の席に座ると、本を持っているわけでも無かった為、何かしようにも何も出来ない状態で、時間は過ぎ、続々と生徒が入室をし、話し声は次第に大きくなった。

 そして、8時半に鐘が鳴り、廊下には先生と思われる人達が忙しなく歩いている。8時半を少し回った頃、黒板側のドアが開き、1人の男の人が入ってきた。


 「おお、真新しい顔ばかりだね。新鮮だな」


 なんとも気さくな様子で、教卓まで歩きながら男はそう言った。教卓の前に立つと、少し黙った後、自己紹介を始めた。


 「初めまして、山田こうすけと言いまして、浩亮と書きます。君たち1年生の国語科を担当します。数学の山田では無いので、そこのところよろしく。先輩たちには、楽しいと評判なんで、恐るるに足りずっていったところかね」


 取り敢えず、第一印象を正直に言うと、面倒くさそうっていったところかね。



 ーーーーーーーーーー



 入学式当日、ちょっと早めに起きて、正門に入り複雑な感情のところ、桜がそれを和ませる。そして、緊張しながら教室に入る。そこまでは、高校生活スタートの兆しだが、担任のテンションに何かが違うような感じを亮誠は抱きながら、現在、体育館前の廊下で並んでいる。この後に入学式が始まるのだが、入場前の待ち時間がF組であるため、長い。

 入場は吹奏楽部の演奏によって盛り上げられていて、特に緊張は無い。

 入学式はまず、校長による新入生歓迎の言葉から、様々な人からの話に始まり、続いて、各クラスの担任の紹介になった。が、亮誠は殆ど聞かず、時計ばかり気にしていた。

 入学式が終わると、教室に戻り、気さく先生による説明があり、高校生活1日目は終了した。


 亮誠は1日目からどっと疲れたが、高校生活が悪い方向に進むような気はしなかった。これも、担任の先生によるものなのか、と考えつつも昼から亮誠は眠りについた。



 ******

 …そういえば、皆は明晰夢って知ってる?夢の1種というか、そういう夢があるんだけど、それについて知ってもらいたくて。そうした方が、皆はこの話が理解しやすくなると思ってね。

 まず、簡単に言うと、夢の中で自分の意志が働くということ。夢だから、自分の好きなように動き、生み出せるんだ。だからこそ、怖いこともあるんだけどね。

 ということは、勘のいい人なら分かると思うけど、明晰夢が関わってくるってことなんだけど、あまり深く考えないでね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ