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宣戦

その部屋は異常な雰囲気に包まれていた。

三人座りの席が三列に並んでいて、席の間は階段の通路になっている。

前には教卓と黒板があり、普段は普通の教室なのだろう。

大学にはよくある、いわゆる階段教室。

収容人数は100人程度と広いが、あまりの人の多さに息苦しさを感じるほどだ。


しかし、その座り方も座る人間も異常。

真ん中の三列を隔てて両側に余す所なく人が座っている。

座る人間は黒板向かって右側に座る人間は青いハッピに青いはちまき。

向かって左側には赤いハッピに赤いはちまき。


青と赤の集団はお互い今にも殺し合いを始めんばかりの殺気を放ちながらにらみ合っている。


真ん中の列には両側に挟まれるような形で一人だけ、座っている人間がいる。

そして彼はすくっと立ち上がった。

長身痩躯、スーツのような私服をきっちり着こなして赤や青には染まっていない。

彼はゆっくりと焦らすように黒板の前まで歩いていった。


ドン!


と教室中に乱暴な音が響いた。

彼が黒板を平手で叩いたのだ。

彼はニヤリと意地の悪そうな笑みを浮かべ、静かに、そして断言するように呟いた。


「戦争だ。」


その瞬間、教室に爆発したかのような歓声が響いた。

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