5話 [イトリ救出作戦]
「改めて確認しよう、俺が監視兵を倒し、帝鬼を引き寄せる。その間に真理亜がイトリを助けるってのが作戦の全貌でいいな?」
「うん、間違ってない。あとは、逃げる」
「わかった」
朝に起きた真理亜と王牙が作戦を確認し聖天界と言う世界にある都市
都心であるホワイトヘブン都市へ向かう
ホワイトヘブン都市では、都市をまとめるウリエル・帝鬼に加え、対死神用機関がある。
しかし、王牙は帝鬼以外の兵は基本圧倒できる程の力を持っている。らしい…
ホワイトヘブン都市のシンボルである白竜塔が見えてきた。
「着いたのね、ホワイトヘブンに…」
「まぁ、予測はしてたけどな…」
「え?」
突如、白い服の集団が二人の前に現れた翼がある者もいれば無い者もいる
そして胸には木をイメージしたであろうマークが付いていた
「てめぇ、どこへ行く気だ?」
低い声を出し帝鬼が現れた
腰には剣、手には杖とバリバリの戦闘モードである
「フェンリルの剣…」
「そう、この剣こそ、神殺しの魔物フェンリルの牙で作られた剣、またの名をブラッドファングセイバーだ」
帝鬼が腰に下げている剣の刀身をゆっくり抜いた
美しく白く光り、歪な形をしている剣が見えた
それを構え、帝鬼が王牙に飛びかかった王牙はそれを手から出た炎で反撃する
「真理亜、こいつは任せろ。お前はイトリを…白竜塔にいる、はずだ」
「わかったわ!」
王牙は炎で雑魚兵を一気に吹き飛ばし
帝鬼とタイマンの形になった
「ワールド・エンド…部分龍化」
王牙の背中から最大6本まで使える骨を二本だし、腕と足が龍の様に変わった
「ムラサメ…」
炎に包まれながら、ムラサメが現れた
「サァ、始メヨウカ!」
「あぁ…」
刃と刃がぶつかり合う音が響き戦いの狼煙が上がった。
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「はぁはぁ、ここまで来れば、王牙のワールド・エンドがあれば大丈夫だと思うんだけど…」
息を切らしながら王牙の心配をする
そして、白竜塔の中を散策する
一部屋一部屋慎重に確認し、監視兵から隠れながら進んだ。
すると、おそらく白竜塔の中心部であるだろう場所にたどり着いた。
これを表現するのは難しいが何というか巨大な木が生えている場所だ
巨大な木があるのに関わらず、辺りに他の植物は見当たらない不思議な場所だった。
木の枝の一つに檻がぶら下がっているのがわかった。中に人影があったことからイトリがいるのであろう
イトリ救出は至って簡単だった、なぜなら監視兵が一人も居ないのだ。
頑固にお前に助けられたくないと喚いていたイトリだが、無理に説得し檻から出した
「全く、何で私がこんな奴に助けらねなきゃなんなんいんだよ」
「まぁまぁ、そう言わずに逃げるよ」
二人で逃げようと扉の方に振り返ると…
人影が三つ、天使の翼が生えている
「何で、お前らがここにいるんだ?」
イトリが背中に二本しょってる剣を引き抜き構えた
「待ってぇ、私は戦う気なんてないのぉあなたたち王ちゃんのお友達でしょう?」
「いや、イトリをこちらに渡すのであればの話だ、戦う気はあるぞ!」
「王牙ってのがいなくて残念だけど、まぁ、あなた達の相手になってあげなくもないのよ!」
三人の天使がそれぞれにバラバラな事を言い出した
「んで、結局、どうなんだ?」
イトリが若干キレ口調で聞く
すると、水色の髪をした綺麗な天使が
「私はぁ、絶対に戦いません」とおっとりとした口調で言った。が、それに赤髪の戦う気満々の天使と緑髪のイトリは取り戻すべきと主張する天使が
「いいえ、戦うわ」
「イトリを渡さなければ戦う」
結局、結論はまとまらなかった。
「我はラファエルに賛成だ」
「わ、私も!」
イトリと真理亜がラファエルに賛成した
「で、ラファエルってどの子?」
真理亜が首を傾げる
「紹介が遅れたな。世はガブリエル・シング、天使ランクはNo.4だ」
「私はぁ、ラファエル・リーファ、No.3よぉ、王ちゃんとは幼馴染なのぉ」
「そして、私はラファエロ・フレイム、Noはウリエル様の次の2よ!跪きなさい!」
ラファエロが自信満々にドヤ顔を決めて言い放った。
「王牙と幼馴染って言うのは、怖い意味とかじゃなくて?」
「えぇ、昔はいじめられてるのを助けてもらったりしたの」
「王牙にも良いところがあるのね」
「聞きなさいよ!」
華麗に無視された
「ねぇ、ラファエロちゃん、ガブリエルちゃん、今回は見逃してくれない?王ちゃんが、いるときにまたって事でぇ」
「あなたね、どっちの味方なのよ、まぁ、今ので戦う気は無くなっちゃったしね」
「世は同意しかねるな、イトリを守ること、それが命令だ。せめて、イトリは置いていってもらおう」
「ガブリエルちゃん…じゃあ、私がとめるわぁ!」
ラファエルは相変わらずおっとりとした顔で宣戦布告した
それを聞いたその場の全員が驚きを隠せなかった
そして、誰よりもラファエロが取り乱した
「まって!仲間割れする気なの?正気?」
「私はこの戦いは不公平だと思うのぉ、だってぇ、No.2〜No.4までの天使三人と真理亜ちゃんにイトリちゃん、勝負は明らかだものぉ」
「ちっ、ムカつく事を言う娘だ」
「まぁ、事実じゃない、あなた方がどう足掻こうと私達には勝てないわ」
「まぁ、そこまで言うなら、真理亜殿は戦わなくてもよかろう、だが、イトリは置いていってもらう。何度も言うようだが、それが命令だからな…」
「じゃ、自力で逃げるしかないわけだね、てめーらを倒して」
三人の天使とイトリの間で話にけりがついたらしい。
「えーっと?で、どうなったの?」
「真理亜って言ったっけか?戦う!王牙は呼ぶな、私一人でやれる」
「私は戦いませんけどねぇ!王ちゃん達は友達なのでぇ」
ラファエルは怒りながら戦闘放棄した
だが、他の天使は気にした様子もない
むしろイトリが動揺してた
「好きにするがよい」
ガブリエルが呆ながら、ため息をついた