1話 [そして、夢は現実に]
正義とはなんなのだろうか?
僕のいる世界は正義のために戦争を始めた。
たくさんの人や動植物が犠牲になった。
「正義」の中には「犠牲」はつきものなので仕方ない。
それが当時の考えなのだろう。
当時に生きていなかった僕はその状況はよく分からないけれど、その考えが間違ってるとは一向に否定できない。
なぜなら、生物は生きていく上で食事をとらなければならない。けれども、それも生物だ。言うならば犠牲である。まぁ、この例えだと大袈裟かもしれない。けれどもこれは言える。本物の正義などこの世にはない。
そもそも正義や悪は人間の手によって線引きしてはいけないものなのかもしれない。
ならば、人間ではなかったら、正義の線引きをしていいのだろうか?
天使なら?神ならばどうだろうか?
夢を見た…
それは酷く悲しく残酷な夢だった。
世界が滅び、ただ1人、僕だけが生き残る。
巨大な光に包まれて街が一つまた一つと消えていく。
そんな世界で僕は思った。
この世界が、僕の望んでいた世界なんだ。と
そして、街を消した光とは違う、優しい光に僕は包まれた
…愛してる、か…せる、よ
声が聞こえたのは覚えている。
けれども、なんと言っていたのかわからない。そんなもどかしさが残った。
問1 本当に世界が滅びると「僕」はどうなるか?
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廊下にチャイムが鳴り響く
市立 清水高校の生徒の声が聞こえる。
恋愛話だとか、テレビの話とかのくだらない話だったと思う。
恋愛話の方について掘り下げるが、人の恋愛話などどうでもいい、自分にメリットやデメリットがある訳でもない。はっきり言って無駄話にすぎない。
そもそも、それを聞いてる奴らはなぜあんなに親身になって受け答えしているのだろう、自分の事ではないのに…
答えは簡単だ、聞いた失敗や成功を自分の恋愛に生かすためである。
いわば、「土台」にするとである。
下校中そんな会話を明としながら帰る
「まぁーた、くだらない事言ってー」
「くだらなくなんてないぞ!いかに恋愛話がくだらないかを自分なりにだな…」
「はいはい、わかったって」
矢宮明は家が近所な事もあり、小さい頃からよく遊んだ。いわば、幼馴染だ。
幼稚園、小学、中学、高校と一緒で、今も二人で帰ってたりする。
「そういえば、今日、佐助見てないな」
「ん、あぁ、なんか、急用?とかで早退したよ」
「急用?なんだそれ」
土井佐助は高校に入ってからの友達で、親友とも呼べるであろう唯一の男友達である。
「まぁ、電話でもして見るか。じゃな」
「うん、また、あとで!」
誰もいない家に帰ってきてベットに横になると眠気が襲ってきた。
「佐助に電話しなきゃ…でも、とりあえず一眠りするかな、今日はなんだか疲れたな…」
詩紙大和は眠りについた…
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光が差し込む
誰かに呼ばれた気がして目を開けた。
赤い空が見える。
赤い地面が見える。
赤い太陽がみえる。
赤い自分の服が見える。
赤い家がみえる。
赤い水溜まりが見える。
黒い…何かが見える。
何かが白く光る。
この光景は見たことがある。
世界は滅びたのだ。「何か」によって。
たった一人残った世界で僕は一人で動くこともせずに立ち尽くしたまま、いまだ終焉を続ける世界を眺めていた。
その時、僕は何も感じなかった
問1 答え 何も感じない
登場人物の送り仮名は
詩紙大和
死神王牙
天津真理亜
矢宮明
土井佐助
です!
面白くなかったら、ごめんなさい。
これから、面白くなるように頑張ります!