冷たい部屋
お題:恐ろしい牢屋 制限時間:15分 文字数:485字
インターフォンが鳴ったら画面を確認するのよ。私以外の人は出なくていいからね。もし知らない人のために開けてしまったらあなたは彼らに連れて行かれてしまう。そして酷い目に合わされるのよ。だから絶対に知らない人を通さないこと。あ、そろそろ行かなきゃ。じゃあね。鍵閉めていくから一人で勝手に出掛けちゃダメよ。外は怖いんだから。あなたみたいに小さな子が一人で出掛けたら死んじゃうわ。あなたは私がいなければダメなの。
あの人が毎朝私に向けていた言葉は呪いだった。あの日、飯田さんが来なければ私はきっと今でもあのボロいアパートの一室でぼーっとテレビを見ていたのだろう。正しい判断のできない私への洗脳だった。
近所の人の通報でやってきた飯田さんは扉越しに私に話しかけた。居留守を続ける私に飯田さんは部屋の明かりがついているというそれだけで私に色々と話しかけてくれた。私も最初は無視を決め込んでいたのだが、飯田さんはあの人の友だちであの人に様子を見てきてほしいと頼まれた、なんて嘘を私はあっさり信じてしまい、ついにはチェーンをかけたまま扉を開けた。飯田さんはくしゃっと笑ってくれた。




