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dig
お題:未熟なパラダイス 制限時間:15分 文字数:433字
「なあ、まだ掘んのかよ」
「当たり前でしょ!絶対見つけるんだから!」
流れ落ちる汗を気にもせずナルは一心不乱に掘り続けている。俺はスコップを地面にさして、大きく伸びをした。
俺たちが今現在いるのは俺たちが通っている高校の裏山、その頂上だ。頂上にはでっかい杉の木が生えていて、俺たちはその杉の木の下をがむしゃらに掘っている。ちなみに掘り始めたのは深夜1時である。辺りには虫の声と俺たちが地面を掘る音しか聞こえないし、空には数えきれない星が見える。
腕時計を確認すると、地面を手当たり次第に掘り始めてからかれこれ1時間が経っている。どうりで腕や足や腰が痛むわけだ。体を慣らしていると、ちょっとサボんないでよとナルから叱咤を受けたのでへいへいと頷いて作業に戻る。
「こんだけ掘っても出てこないってことは、やっぱりここじゃないんじゃないか?」
「ここよ。絶対に、ここ」
俺たちがこうして地面を掘っているのはナルが小学生の頃に埋めたタイムカプセルを発掘するためである。




