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チョコレートを食べながら  作者: 藍沢凪
70/250

ドングリ ※未完

お題:怪しい道 制限時間:30分 文字数:899字


通学路の途中にある公園に帰りに寄るのが僕の日課だ。公園に誰もいないときはすぐに帰るけれど、ドングリの木の近くにあるベンチで一人タバコを吸っているおじさんがいたら話は別。僕はその人に隣に座って、今日学校であったこととか昨日見たテレビの話をしたりする。そして、その人、加賀さんは僕の話を聞いたり、加賀さんの話をしてくれる。


と言っても僕は加賀さんのことをよく知らない。加賀さんとの出会いはある日の帰り道、急に雨が降ってきたときのこと。僕は傘を持っていなかったから慌てて公園のトイレに向かい、雨宿りした。ハンカチで体を拭いていると同じくトイレに駆け込んできた人がいた。それが加賀さん。

「雨、すぐにあがりますか?」

「通り雨だろう、すぐに晴れるさ。ほら、今だって太陽の光が射してる」

雨が降っているのに雲の向こうから太陽が顔を覗かせていた。光が雨粒を照らしてキラキラしている。僕がぼーっとそれを見ていると加賀さんは狐の嫁入りだと呟いた。狐の嫁入りって何?そう聞いた僕に加賀さんは説明してくれた。これが僕と加賀さんの出会い。

この日以来、帰り道に公園へ寄ると時々加賀さんを見かけるようになった。最初は挨拶するだけだったけど、気付いたら僕と加賀さんは暇なときに話をする関係になっていた。


加賀さんは僕にたくさんのことを話してくれるけれど、僕に分かるようには話してくれない。二次熟語だとか四字熟語だとかいった小学生の太一くんには難解な言葉をわざと使って、わざと回りくどく話しているんだよ、趣味悪いよね、と美香ちゃんは話していた。美香ちゃんというのは大学生のお姉さんで、僕の家庭教師の先生だ。美香ちゃんは加賀さんのことを知っているには知っているけれど、どこで何をしている人なのかはわからないと言う。聞いても教えてくれないし、はぐらかすから聞くのをやめたとも言った。


僕が加賀さんの言っていることが分からないと言うと決まって加賀さんは自分で考えろと言った。考えてもわからないと言うとそれはお前がガキだからだ、勉強しろと言った。不親切だけどきっと加賀さんは小学生の僕にも大人の会話をしてくれているのだと思う。


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