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チョコレートを食べながら  作者: 藍沢凪
67/250

創意工夫というやつです

お題:初めての克服 制限時間:15分 文字数:453字


「にんじん、たべられた!」


右手でフォークを握りしめ、口の周りをシロップでべたべたに汚した陽太がキラキラした目を私に向けた。私も自然と頬が緩み、良かったねーと褒めた。

陽太は野菜がだいっ嫌いで、中でも人参は強敵だった。ちょっとでもあの鮮やかなオレンジ色がちょっとでも見えると人参だと感づいてしまうらしく、炊き込みご飯や餃子すら嫌がった。

そこで私は形を消すことにした。人参をすりおろしてホットケーキミックスと混ぜたのだ。出来上がったホットケーキは普段より若干オレンジ色が濃い。

バレるかな?とひやひやしながら陽太の前に出したけれど、陽太はいつもどおりに食べてくれた。美味しい?と聞くと、うんと頷く。


「それね、人参が入ってるんだよ?わからないでしょ?」


そういう言うと陽太はピタリと動きを止めた。ホットケーキをジーっと見つめ、お皿を回して四方を確認し、フォークを入れて中身を確認し、匂いをかいで、口に運ぶ。その姿は一流料理人か美食家のようだ。飲み込んだ後、陽太は笑った。


「にんじん、たべられた!」


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