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チョコレートを食べながら  作者: 藍沢凪
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約束 ※未完

お題:怪しい検察官 制限時間:30分 文字数:868字


神様は言いました。

いいですか?君は君の役目を忘れてはいけませんよ。

僕ははいと頷きました。


続けて神様は言いました。

もし君がこの約束を破ってしまったなら、私はあなたに罰を与えなければなりません。しかし、私は愛する君にそんなことはしたくありません。

僕はわかっていますと答えました。神様を悲しませるようなことをしませんと言いました。


神様は僕を優しい眼差しで数秒の間見つめました。そして、ゆっくりと手を掲げました。

あなたの行く道に加護を。

神様の澄んだ声とともに手から放たれた光が僕をあっという間に包み込みました。僕はぎゅっと目を瞑りました。


数秒後、ゆっくり目を開けるとそこには神様はいませんでした。周りの景色もすっかり変わっていて僕は神様の部屋から枇杷の木が植わっている一軒家の庭先に移動していました。それは見慣れていて懐かしい風景でした。くるりと振り向けばそこには赤い屋根の僕の家がありました。入り口には千津ちゃんが書いた「ミルク」のプレートがつけられていて、中にはピンク色の毛布が敷かれていました。


ああ、僕は帰ってきたんだなと思いました。

僕は神様のいる世界から僕の生きていた世界に帰ってきました。


僕は懐かしさで胸をいっぱいにしながら千津ちゃんの家の縁側に向かいました。家の中からみんなの声が漏れて聞こえてくるのです。雨戸は閉まっていて僕は開けようと前足をかけました。すると僕の脚は雨戸をするりとすり抜けて、家の中にあっさりと入れてしまいました。実体がないというのは便利です。


僕は縁側から障子を抜けて声のする方へ歩きました。やがてリビングへ続く扉をするりと抜けると、そこには僕の会いたかった人がいました。その人は僕に背を向けて座り、テレビを見ていました。


千津ちゃん!


僕は彼女の元へ駆け寄りました。会いたかったし、話したかったし、遊びたかったし、懐かしかったのです。僕は彼女に体をすり寄せました。しかし、彼女は微動だにせず、テレビを見ていました。そうだ、実体がないというのはこういうことでもあります。


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