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小山さん ※未完
お題:恐ろしい犬 制限時間:15分 文字数:424字
クラスメイトの小山さんの家の前を通ると庭先でゴールデンレトリバーがお昼寝していた。かわいいなあ、ふさふさしていて触りたいなと思いながら通りすぎようとしたら、ゴールデンレトリバーが目を覚ましてゆっくりと立った。大きく伸びとあくびをした後、私に気付いて尻尾を振る。近寄ってしゃがみこみ、犬の顎の下を撫でる。すると雨戸の開く音がして、そこから如雨露片手に小山さんが出て来た。彼女は目を丸くしたものの、サンダルを履いて私の元へやって来た。私はなんだか気まずくって、立ち上がった。
「犬、好きなの?」
「う、うん」
「はなちゃん」
「え?」
「名前。はなちゃんっていうの」
小山さんは、ねえ、はなちゃん?とゴールデンレトリバーに呼びかけて頭を撫でた。普段の小山さんはクラスでもクールで、笑顔すら見たことがなかったから、はなちゃんを撫でている横顔の穏やかさが意外だった。
「良かったら、あがっていく?」
「え」
「花壇の水やりするからちょっと待ってて」




