表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チョコレートを食べながら  作者: 藍沢凪
31/250

起こしたら怒るんだろうな ※未完

お題:来年の会話 制限時間:15分 文字数:551字


「さて、あと10分ぐらいで年を越す訳ですけれども」

「…」

「なんであなたはこういう大切なときに限って寝てしまうんですかね」


こたつに伏せって寝ている彼女の返事はない。23時頃まではちゃんと起きていた。年越し蕎麦を食べ終わってお腹いっぱいで眠くなってきたと言ったけれど、たった数分で寝てしまうとは思わなかった。年越しの瞬間は絶対起きているから!と意気込んでいたのはどこへやら。あまりにも気持ち良さそうに寝ているから起こすのが可哀想になって背中に毛布を被せた。それでも彼女は起きる気配がなく、僕は一人でテレビをぼーっと見続けた。そうして年越しまで10分を切った。

彼女はここぞという瞬間を逃してしまう人だ。二人で新幹線に乗ったときは富士山に差し掛かったところで彼女はぐっすり寝ていたし、テレビの野球中継で選手がサヨナラホームランを打ったときはトイレに行っていたりする。


「あと数分で年越しですよー」


何度か声をかけてみるものの彼女は、ううんと唸って身動ぎするだけだ。彼女は一度寝てしまうとちょっとやそっとじゃ起きない。


「だからコーヒーでも飲んどきゃ良かったのに」


テレビでは年越しのカウントダウンがスタート。

ご、よん、さん、に、いち、ぜろ。


「あけおめ」


僕の言葉は部屋に静かに響いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ