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君へ ※未完
お題:愛すべき葬式 制限時間:15分 文字数:297字
死がこんなにもあっさりしているとは思ってなかった。僕は彼女が死んだら泣くと思っていたけれど不思議と1滴の涙も流れなかった。ベッドの上で眠っているようにしか見えない彼女をぼんやり見つめながら、死亡届けを出さなきゃとか葬式の手配をしなきゃとか現実的なことが頭にいくつも浮かんで、しかしそれも彼女を見ているうちに頭から消えていってしまった。
彼女は眠ったまま逝ってしまった。実感がわかない。今にも目を覚まして、来てたんだ?と笑いそうなのに、彼女がそうすることはもうない。もうないんだ。最期に耳元で告げた言葉は彼女に届いたのだろうか。
「 」




