階段の先
お題:嘘の階段 制限時間:30分 文字数:591字
薄暗い階段、シュンの後を追いかけて黙々と登る。聞きたいことはたくさんあった。やがて屋上への扉にたどり着いた。鍵がかかっていると思ったらシュンがポケットから鍵を取り出した。やがてギイッと重たい音を立て、ドアが開く。
屋上には初めて来た。目に入ったのは周囲をぐるりと囲むフェンスがと、ゴツゴツとしたコンクリートの地面、そしてどこまでも広がる空。シュンが扉の近くに座ったので私も少し距離を開けて隣に座った。シュンはぎゅっと膝を抱える。
「ここ、基本的には立ち入り禁止。俺は部長だから鍵をもってるけど部員には用意してないから」
「天文部って何人いるの?」
「十人。半分くらいは幽霊部員だけど」
「学校の屋上からでも星って見えるの?」
「ぼちぼちかな」
屋上はむしろ一人になりたいときによく来るとシュンは呟いた。シュンはさっきの私を可哀想に思ったのだろうか。友人と分かれた後に吐いている姿なんてシュンには見られたくなかった。
シュンが、さっき、と切り出す。
「ミヤコを見て、ミヤコになら教えていいかなって。ここ。ミヤコはきっと一人になれる場所が必要かなって思ったからさ」
「可哀想だって思った?」
「俺と同じかなって感じた」
そう聞いて黙ってしまった私にシュンは気分を悪くしたならごめんと謝った。私は違うと首を振った。
「シュンは変わんないなって、思っただけだよ」
「そっか」




