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チョコレートを食べながら  作者: 藍沢凪
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のどか

お題:穏やかな社会 制限時間:15分 文字数:629字


今日が一学期の終業式で、明日からは夏休み。まだ明るい時間帯のうだるような暑さ、学校からの帰り道はたまたま人通りがなく、コンクリートの照り返しに辟易していた時、その人は曲がり角から現れた。

死人も出そうな暑さというのに、その人は真っ黒なつば付き帽子を被り、足首まで隠れるよう真っ黒な外套を羽織り、靴さえ真っ黒で、顔の半分は隠ようかというサングラスをかけていた。見るだけで暑苦しさと不審さを感じるその人は、右の角から現れるとこちらに向かって歩いてきて、何事もなくすれ違おうとした俺の前に立ち塞がった。

うわ、なんか怖いと思ったのも束の間、その人は口を開いた。


「すみません。お尋ねしたいことがあるんですけれど」


面と向かって発された声は思っていたよりもワントーン高くてびっくりした。何故ならその人と向かい合ってわかったが、俺の身長は170センチで、その人は俺よりも数センチは高い。帽子に隠れていない短めの髪先はつんつんと跳ねて飛び出ており、外套で体つきはわからないものの、てっきり男だと思っていた。声だけ聞くと女っぽいが、いまいち外見と不釣り合いだ。

見た目の怪しさはともかく、発言には初対面なりの丁寧さと助けを求める必死さがあった。


「な、何でしょう」


困惑しつつも無視せず答えた俺は、困っている人を見過ごせないお人好しでも何でもなくて、相手の異様な雰囲気に圧倒されただけに過ぎない。

その人は再び口を開いた。


「のどかを知りませんか」

「のどか?」


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