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チョコレートを食べながら  作者: 藍沢凪
224/250

彼が愛した女 ※未完

お題:彼が愛した女 制限時間:30分 文字数:1079字


彼女の第一印象は最悪だった。


「ここは俺に任せて先に行け」と言うのは死亡フラグの常套句になりつつある。戦場でそんなことを言ったやつは大抵思わぬ伏兵が現れたり最終兵器を浴びせられたりと、まあ、確実に生きて帰ってこない。惜しいやつを亡くした、あの時彼の言葉に頷かなければ、などの仲間たちの悔恨と彼のためにも必ず勝利しようと結託を深めるまでが一連の流れである。これが映画やアニメなら胸が熱くなるシーンだろう。


戦場ほど血生臭くはなくとも、とある任務のために敵地のど真ん中へと赴いた俺と仲間たちは逼迫する状況下で選択を迫られた。誰かが囮となって敵を引き付けている間、味方が攻めていくべきだと誰もが薄々思っていた。雨あられと降ってくる敵の攻撃を防いでいるだけでは任務遂行とはならない。

「ここは俺に任せて先に行け」といざそんな使い古された台詞を言わざるを得なかった俺はもちろん、クサイ台詞を聞かされた仲間たちもほぼ躊躇いなく俺の言葉に頷いて迅速に動きはじめた。一人、また一人とその場から仲間が抜けていく。

最後に残ったのは俺とリーダーだけだった。リーダーは歴戦の猛者でありどんな地獄からもただ一人生還してきた。生ける屍、血まみれの不死鳥、不死身のサイボーグなどなど散々なあだ名で呼ばれているリーダーは「健闘を祈る」と言った。その瞳には虎のような猛々しい光がぎらついていた。「任せろ」と返すとリーダーは振り向くことなく前だけを見て仲間たちの後を追っていった。

一人になった。


戦場では一瞬の判断ミスが命取りになるものだが、俺も仲間も俺の実力を知っているからこそ、あえて俺を置いていった。一人でも耐えられる、切り抜けられる、持ちこたえられる、逃げ出せる。決して大きな組織に所属しているわけではない俺たちだからこそ、誰が欠けてもいけないし、確固たる信頼があるのは実に良いことだ。

状況は良くも悪くもなく、俺が孤軍奮闘している分には長期戦も可能だなと天命が見えかけた時、その女は現れた。


「大丈夫ですか!?」


女はあまりにも無防備に俺の元へ駆けてこようとして、敵の攻撃が彼女に向けられた。女は慌てて物陰に隠れたが敵の攻撃は彼女に集中砲火している。


「くそ!てめえ、何しにきやがった!」


彼女はそもそも俺たちのように前線に出てくるタイプではなく、後方支援に徹しているはずだった。

そもそもその女はほんの一週間ほど前に仲間に加わったとリーダーから聞いており、実際に顔を合わせたのはほんの数時間前が初めてだった。

これと言って特徴のない顔とさして筋肉もなさそうな薄幸


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