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チョコレートを食べながら  作者: 藍沢凪
214/250

メンテナンス ※未完

お題:俺とロボット 制限時間:30分 文字数:888字


ピンポンと間抜けなインターホンが鳴る。玄関へ行こうとするアンさんを引き留めて、俺が玄関へ行き扉を開けた。


「よう、元気にしてたか」


予想通りに時刻通りに、斎木がニコニコして立っていた。今日の斎木はトレードマークの白衣を着ておらず、シャツとジーパンという至ってラフな格好だった。しゃんとしていればモテそうな男だが、もっとも髪型はいつものごとく寝癖がついていたし、肩からは重そうな使い込まれた鞄を下げていたけれど。

「まあまあだな」と言うと斎木は「そうかそうか」と一人で満足げに頷き、俺が促すまでもなく「お邪魔しまーす」と無遠慮に部屋へ上がった。


「アンさん、久しぶり」

「一ヶ月ぶりですね、斎木さん。今日はよろしくお願いします」

「いやいや、こちらこそ」


「お茶でも飲みますか」と尋ねたアンさんに対し、斎木は首を振る。斎木は肩から下げている鞄をぽんぽんと叩いた。


「先にメンテナンスしよう。お茶はそのあとで。中村もそれで良いよな?」


こちらに振り向いた斎木に頷く。アンさんは俺の反応を見ると「そうですか」と残念そうに呟いたものの、次には「わかりました」と了承した。三人で寝室へと向かい、アンさんはベッドの上に仰向けで寝る。


「アンドロイドA-16662番、定期メンテナンスのため現在進行中の全プログラムを強制終了します。おやすみなさい」


アンさんは淡々と告げ、まぶたを閉じる。間もなく小さなモーター音も消えて、彼女は全ての動きを止めた。何度も見ている光景だけれど未だに慣れない。

斎木は鞄を床に下ろし、袖をまくった。


「それじゃ、始めるよ。終わったら呼ぶから」

「ああ。よろしく」


俺は寝室を出て扉を閉めた。

アンドロイドのアンさんは月に一度の定期メンテナンスを欠かせない。本来ならば俺とアンさんが斎木のいる研究所へ行ってメンテナンスしてもらったほうが機材やら何やらの都合はいい。しかし、今回は現在のアンさんの様子を鑑みて、斎木がうちへ来たほうがアンさんにとっては良いだろうという結論になった。そうでもなければ出不精な斎木がわざわざ外へ出ることなどない。


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