思い出せない日のこと ※未完
お題:鈍い夏休み 制限時間:30分 文字数:630字
生きていてくれたらいいよ。
そう言ってくれたのは誰だったっけ。頷きもせず咎めもせず、優しい目をして僕の頭を撫でてくれた人は誰だったっけ。
人生でいちばん難しいことだけど、いちばん大切なことだからね。生きていてくれたらいいよ。それ以上何も望まないから。
僕の両目からほろほろと涙が流れた。その言葉を聞いて僕はなぜ泣いてしまったのだったっけ。
強烈な喉の渇きで飛び起きた。
静けさに辺りを見回すと、部屋には誰もいなくて障子が開けっぱなしになっていた。
ジージーとセミの鳴き声が遠くで何重にも重なっている。柔らかい風が家の中へと吹きこみ、縁側に吊るした風鈴をちりんちりんと鳴らしたあと、僕のうっすら汗ばんだ肌を冷やすように撫でていく。
することもないし、外は暑いし、ごろんと横になったらそのまま寝てしまったらしい。
テーブルに置いていた2リットルのペットボトルからコップへとお茶を注ぎ、一息に飲み干す。額に浮かんでいた汗を手の甲で拭った。
夢を見ていたのだろうか。内容は全く思い出せないけれど、目覚めたばかりなのに懐かしいような気持ちが胸に溢れている。
外から元気な足音が聞こえた。麦わら帽子を被ったるーちゃんがこちらへと駆けてきていて、縁側に手をつくと身を乗り出した。
「かーくん、起きた?!」
「いま起きたよ」
「かーくんが起きるの待ってたんだよ。一緒に遊ぼ!」
「へいへい」
玄関へまわって適当なサンダルを履いて外に出ると、待っていたるーちゃんは俺に




