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チョコレートを食べながら  作者: 藍沢凪
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ライオン

お題:無意識のライオン 制限時間:15分 文字数:543字


「ライオンってかわいいよね」

「どこが?」


久しぶりに二人の休日が噛み合ったので、せっかくだしどこかに出掛けようと提案したら彼女が動物園に行きたいと言った。話はとんとん進み、平日の真っ昼間に動物園へやってきた。生憎と言うか道理と言うか、食事を終えている動物たちも人間と同じようだ。ほとんどの動物がじっとしていたり寝ていたりしてあまり動物園に来たかいがないけれど、彼女が隣で小学生のようにはしゃいでいるので、一緒に来て良かったなとは思う。

そうして、くぐっすり眠っているライオンの檻までやってきたとき、彼女はライオンがかわいいと言った。


「あの手!ふわふわなたてがみ!まさしく猫科の生き物!」

「行動は猫っちゃ猫かな。でも爪とか牙は猫なんか比べ物にならないじゃん。くらったら死んじゃう」

「そりゃそうだけど、あくびしたときに見える牙とか獲物を手でつつく姿とかかわいい」

「ごめん、全然わからない」


サバンナでは百獣の王も檻の中に入れば途端にペット。良くも悪くも平和ボケしている。仮にこのライオンが放たれたら僕らは一撃でやられそう。

あ、チーターがいるよ!チーター!と彼女が先に駆け出していく。僕は彼女の後を追いつつもう一度だけライオンの檻を振り返る。ライオンは素知らぬ顔で寝ていた。


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