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チョコレートを食べながら  作者: 藍沢凪
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告白 ※未完

お題:頭の中の計算 制限時間:30分 文字数:917字


「す、好きだから」

「え?」

「あ、あんたが好きだから」


思わず口をついて出た言葉に私は固まってしまった。言われた彼も驚いて、困っている。どうしよう。


私たちは異性同士でも仲のいい友だちだった。仲良くなったきっかけは、英語の授業で隣の席に座る彼と会話の練習をしていたときに色んな雑談をしたこと。本や音楽の趣味がたまたま合って、ちょっとめんどくさがり同士で、細かいことは気にしない。異性だけど一緒にいて楽な存在だからこそどんどん仲良くなっていった。

と、同時に私は彼をどんどん好きになっていった。しかし、彼には好きな人や彼女がいないものの、恋愛なんてめんどくせえ、の一言で彼自身の話は終わってしまう。彼に合わせて、私も恋愛なんて興味ないよと言ったが最後。あれ?俺らの間に友情成り立ってんじゃね?と嬉々として言われてしまい、引っ込みがつかなくなった。周りから付き合っていないのが不思議と言われることが増え、その度に、私たちの間には恋愛なんか成り立たない、男女間の友情が成立すると証明してやる、なんて二人で言ってきた。いよいよ、どうにもならない。私は私の気持ちを永遠に秘密にしようと決めていた。


なのに、彼がかわいい同級生から告白されたという話は衝撃的で、聞いてからはちっとも理性的でいられなくなった。もし彼がその子と付き合ったらどうしよう。遠回しに告白を聞いてみたところ、返事は保留中らしい。頭の中で彼との関係に対して必死に計算した。彼がその子と付き合うのは嫌だ、かと言って私が告白しても彼がokしてくれる保証はない。悶々と悩んだまま放課後を迎え、いつもどおりに彼と一緒の帰り道を歩く途中、話はまた彼の告白の話になった。


「告白断るよ」

「なんで?」

「なんでって、相手のことよく知らないし、恋愛なんてめんどくせえし」

「とりあえず付き合ってみるって選択肢は?」

「ない。お前はどうなんだよ。知らないやつから告白されてokするか?」

「しない」

「だろ?」

「す、好きだから」

「え」

「あ、あんたが好きだから」


本当にどうしよう。彼がこんなに驚いているのは初めて見た。


「なら、早く言えっての」

「え?」

「俺はさ、お前」


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