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チョコレートを食べながら  作者: 藍沢凪
198/250

先生は神出鬼没 ※未完

お題:ダイナミックなおっさん 制限時間:30分 文字数:768字


「お前は後先を考えすぎて身動きが取れなくなっちまうんだから、たまには自分の感情が赴くままに突っ走りゃいい。お前はまだ学生で、子どもで、俺の弟子だ。弟子が失態を晒して始末に負えないってんなら、尻拭いをするのは当然その師匠だろう。俺みたいなちゃらんぽらんでも未成年の弟子には監督責任ってのは発生するからなぁ」


相変わらず神出鬼没な先生は夜道のどこから現れたのか分からなかったけれど、いつの間にか俺の隣で腕を組んで立っていた。夜だと言うのに、ふざけた星型のサングラスをかけた先生は俺とめいろちゃんを見て、にやりと口を歪めて笑った。


「チビと二人でよく頑張ったじゃねえか。褒めてやる」


先生に褒められるなんていつぶりだろう。

「誰がチビだ!」とすかさずめいろちゃんが先生の言葉に噛みついたけれど、本人はどこ吹く風といった様子で彼女に向き直った。


「さて、ここからは先生が手助けしてやろう」


先生と会話をしていたほんの僅かな間にも、同級生だったものは姿を作ろうと試みていた。同級生を飲み込んだ黒い液体はどろどろと地面で蠢きながら何かの形を作ろうとしては失敗して崩れていくことを繰り返していた。


「ハルの力で彼女も化け物も元の形を作れないでいるんだな」

「混ざりあってるの?」

「いやいや」


めいろちゃんの質問に先生はあっさりと手を振った。


「それに関しては大丈夫だ。水と油よろしく、お前らの同級生と化け物は完全に混ざりあうことはできない。今は、そうだな、コップに水と油を入れてスプーンでぐるぐるかき回している感じだ。水が同級生、油が化け物、スプーンがハルの作用ってとこだな」

「じゃあ、時間が経てば元に」

「いやいや」


再び先生は手を振った。


「ハルの力を止めなきゃ水と油は永遠に混ぜられっぱなしだろ?忘れたか?ハルのちか」


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