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愛せない僕らの愛する神様 ※未完
お題:反逆の神様 制限時間:15分 文字数:396字
「愛してるぜ」
レインはニヒルに笑って、僕の心臓に剣を突き刺した。
迷わず、違わず、ぶれず、狂わず、剣は正確に心臓の真ん中を貫いた。
瞬間的に死んだ、と思った。
しかし、僕の心臓に痛みはなく、血が噴き出すこともなく、代わりに溢れたのは植物の蔓だった。
蔓は剣に絡みついて、青々とした葉を芽吹かせ、大きく大きく伸びた。剣が完全に蔦で覆われると、蔦は成長をぴたりと止めた。
「何だよ、これ。どういうことだよ」
戸惑っている僕と違い、剣を突き刺した本人は「やっぱりな」と冷静な声で呟いた。
「やっぱりな、って知ってたのか」
「いいや、詳しくは知らない。けどさ、ユーリ。これでハッキリしたよ。お前の存在は自然の摂理に反している」
どういうことだよ、と言おうとして、しかし僕はレインの顔を見て二の句が告げなかった。獣を見たような、或いは神様を見たような、そんな表情をしたレインは目を伏せた。




